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情報格差などがもたらす情報社会の問題について考える

Twitterは情報格差を拡大するのか?

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情報格差について、記事を書いて来たので、時々時事問題について触れてみたい。

今回は、巷で大流行のTwitter。筆者ももれなく、Twitterをはじめてみて、はまっている。アカウントは、@besusです。興味があれば、フォローしていただければ幸いです。

さて、Twitterの本質は、以下の3点にあると考えている。

  1. 情報がストックせず、フローしている
  2. 情報と情報の間のつながりが希薄になり断片化している
  3. 情報のリアルタイム性が特に重要になっている

まず、Twitterでは、つぶやきがどんどん出て来て、時間が経つと、Time Lineが発言でいっぱいになってしまう。昨日のものを読もうと思うと、サーバから発言を取り出さなければならず、時間がかかる。Twilog のようにログを保存するサービスはあるが、多くは時間の経過とともに検索が不可能になってしまっている。このため、Blogなどの他のソーシャルメディアとは違って、Twitterは、情報がストックされず、どんどん流れていくフロー型のメディアである。この辺りを、区別してTwitterを使っていく必要がある。

次に、RTやQTなど、発言を再利用したり、引用したりする仕組みはあるが、140字という制約上、発言間のつながりがよくわからず、混乱することも多々ある。このため、一連の発言のつながりが希薄的になり、情報が断片的になる。Twitterを使いこなすコツとして、この断片化した部分を、頭の中で再構成していくのがポイントである。この部分が不得手だと、Twitterを楽しむことは難しいかもしれない。

最後に、発言にはその時点での最新の情報が発言されるため、その時点でキャッチしていないと情報の持つ価値が落ちる場合がある。例えば、インフルエンサー(発言に大きな影響をもつ人のこと)がある製品についてつぶやいたとき、その製品を購入したりなどのアクションをすぐとらないと、情報の利益を享受することができない場合がある。後から、TLを追っても、情報の即時性が失われてしまい、価値が下がっている場合がある。

このようにTwitterの本質を探ってみると、情報洪水や情報爆発がTwitterによってもたらされていると考えている。これをうまく使いこなせるか=リテラシーの有無によって、情報強者と情報弱者に分かれてしまい、Twitterのユーザ間の情報格差はかなりあると言えるだろう。

ただし、情報社会全体としてみた場合、一部の情報強者が更に情報を得やすくなるインフラとして、Twitterというツールが出て来たと考えることもできる。もともと情報強者は、Twitter以外の情報入手手段も持っているのであり、その手段が、Twitterに変わっただけではないだろうか。即時性という意味では、Twitterのもたらすメリットは大きいが、従来のBlogなどのソーシャルメディアで得られる情報が断片化したものである。Twitterは、即時的に情報が得られる代わり、情報が細分化されており、最終的に必要な情報量は、いくつかの発言を得て、満たされる。

そういった意味では、情報社会においては、Twitterはさほど情報格差を拡大している訳ではないと考えている。ただし、Twitterというインフラで流通している情報の中に限定した場合、情報格差は生じている。この2つを区別しておく必要があるのではないか。

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