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グローバル化する地球の中に、日本はどう立つのかを考える日々

今更ながらiPad所感

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iPhone4/iOS 4も発表されたというご時世だが、発売日早朝からソフトバンク六本木店に並んで入手したiPadもそろそろ2週間たち、生活に溶け込んで落ち着きどころが出てきたというあたり。なので今更ながら所感を。

1.物理的にはiPhoneの画面が大きいだけかもしれない、でも体感的には異次元。

単純な画面サイズの問題ならテレビでWebを見る方がはるかに見やすい。
でもiPadはiPhoneの使用スタイルを保てるギリギリのサイズでiPhoneを拡大したから、
スクロールしたり、拡大縮小したり(ピンチイン・ピンチアウト)が指で出来る。

指は脳に直結したインターフェース。そこでの操作がリアルに視覚に反映されるというのは、リモコンなどの入力デバイスを挟むのに比べて、断然快適!!

しかもiPhoneだと『拡大して読む』のが前提だったけど、iPadは『拡大もして』読めるサイズ。だから『情報レイアウト(記事の配列や、カレンダーの全体と詳細の並び等)』自身が持つ情報もすぐ把握できるし、当然記事自身が持つ情報(内容)もきちんと読める。
結局の所、iPhoneの画面を大きくしたことで、情報レイアウトという情報も、iPhoneと同じく直感・直接的に得られるところが異次元の体感を生んでいる。

2.周辺機器も含めたiPadの世界観はまだまだ甘いor未完成

iPad、そのままで持ち歩くには、かすり傷がつきそうだし、ツルツルしてて落下の不安も、そして重い!!

重いのはまだ技術的に仕方ない、かすり傷がつきそうで落としそうな本体も、リビングで使う物と考えればありなのかも知れない。

しかしiPadは一応モバイル機器。いろいろなところで使われるはずだ。その使用シーンを支える周辺機器は揃っているだろうかと考えると、Apple純正の周辺機器の提案はかなり貧弱な気がしてくる。

例えばキーボードDock。平らな机の上に置くことを想定された形をしているし、有線でスピーカーと繋ぐようになっている。
これは中途半端なMacを生んでいるだけではないか?

純正iPadケース。iPadスタンドになるのは良いが、機構が大仰だし、また姿が全く別物と成ってしまい、iPadの本来の道具としてのシンプルさ・美しさが失われてしまう。
保護機能・スタンド機能を満たすケースとしてよく設計されているのかは、iPad本体と比べて不十分だと思わざるを得ない出来である。

例えば、立ったり寝転がったりの不安定な状態で持ちやすい、持っていて落とさないという合理性を追求するなら、サッカー(吸盤器,Sucker:LAN工事などではお馴染みの)のような物をiPadの背につけるのもありだろう。

現状のiPadの純正周辺機器からはどんな利用シーンを作り出すものかが見えてこない。iPadで手一杯でそこまで手が回らなかったといったところではないだろうか。

そういった観点から言うと、保護ケース無しで単独で鞄に入れても大丈夫いうのを想定したLet's noteや、日本の防水ケータイの方が、使用シーンの全体感としてはまだ完成されているように感じる。

もっとも、i-modeの開発者としても有名な夏野剛(@tnatsu)氏がiPhone 4発売直後につぶやいた↓↓↓にあるように、

『iPhone4、webで見る限りの評価だが、日本のケータイと比べて遅れていたカメラや動画機能を盛り込み、かつ薄くという携帯電話開発の好循環に入ってきた。問題は手をこまねいているニッポンのメーカー。またチャンスが一段小さくなったが、頑張って欲しい。今年が本当のラストチャンスか。』

基礎的な設計思想・コンセプト・システム実装が落ち着き、好循環に入れば、カメラ等個々の部分の高品質化→防水・防塵などの対応といった使用シーンの全体感完成到達へはあっと言う間だ。

だから今こそ日本の携帯電話業界はどう生き残るのか手が打てる最後のチャンスになるのだろう。

個人的には、HP Slateなどに防水・防塵技術を提供したり、モバイルプロジェクターなどの周辺機器に注力。もしくはストラップや絵文字供給といったパーソナライゼーションの部分に特化するといった可能性があると思うのだが(既存のメーカーにとっては規模が維持できないからあり得ないだろうが)。


3.社会的にタブレットデバイスの受容が未完成

携帯電話が普及してくると、携帯電話ポケットを設けた鞄などが生まれてきた。iPadやHP Slateのようなタブレットデバイスをどう持ち運ぶのかは、鞄のどこに入れるのか、まだ落ち着きどころが見当たらない。

個人的な話だが、まだiPadだけで外出を済ませられるようにワークフローが組めていないので、ノートPC+iPad+iPhone+携帯+カメラetc...といった機器全てを持ち出すことになっている。
しかし、現在の鞄にとってノートPC+複数の携帯というのは想定の範囲だろうが、iPadはその想定の範囲外なのか納まりどころが見当たらないのだ。
PC格納スペースに入れるとPCとすれて傷がつきそうだし、それ以外の部分に入れると床に置いたときの衝撃が心配だ。さらにそもそもスペースが。。。となっていく。

入れ物の話ばかりではない。携帯電話使用禁止・PC使用禁止という場所でどう扱われるのか、病室に持ち込んで良いのかなど、タブレットデバイスをどう判断していいのか困るシーンはたくさんある。

さらに携帯電話と違って、タブレットデバイスは視認性などの観点から現在の日本に於いて支配的な価値観を形成している中高年層にとっても不都合でないデバイスになりそうで、そういった点が携帯電話と違う社会的受容のされ方をされるのではないかと予感させる。

決起良く、iPadは大きいiPhoneだから使いやすいということが実感できた。でも実際に使うシーンまでどう持ち運ぶのか、どう使うのかで戸惑うことも多い2週間だった。

余談だが、諸事情で今週はガジェットウィークとなったのか?自分のモバイルガジェットに、SONYの新デジタル一眼カメラNEX-5Dと、同じくSONYの au BRAVIA Phone s004と、Livescribeのpulse smartpenが仲間入りした。

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NEX-5Dは本当に小さく凝縮感があり、物として上質!以前はメインとしてα700を使っていたので(現在はEOS 5D markⅡ)、サブ機であるが久々のSONY機。
SONY機はやはり一眼の中でもシャッター音が快感★SONY的な風景の仕上がりが好きなので、日常気付いたことを撮っていくのに使いたい。

au BRAVIA Phone S004は、ガラパゴスケータイなのに最新の高級スマートフォンでよく使われるQualcomm Snapdragon processorを用いたauの夏の目玉機種。
メールを打つ、EZ webを見る、アプリでモバイルSuicaやANA Sky Mobileを使うなど全てが快適でしかも防水。スマートフォンではない携帯電話の、一つの完成系ではないかと思えるぐらいのストレスの無さ。

pulse smartpenは、anoto技術を使ったペン型デバイスなのだが、以前Nokia SU-27Wを使っていて、書いた物がそのままデジタル化されるだけでなく、Bluetooth・3Gで飛ばせることのすごさは体験済み。

そのあとNokiaの専用ノート(anoto技術は特殊な専用ノートを要する)の供給不安と、携帯側の老朽化で放置していたが、今回のLivescribe pulse smartpenはSDKもあるし紙も最悪自分で印刷できるしと期待度大!

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iPad、NEX-5D、Pulse smartpen、iPhone or Android or Palmスマートフォンだけモバイルすれば済むように整理できればかなりスマートな生活になりそうなので、チャレンジしていきたい。

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