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英国総選挙開始に思う

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5月6日に英国総選挙が行われることに。

TIMES ONLINE ELECTION '10(英TIMES紙特集サイト)
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/politics/

現政権の労働党と保守党の二大政党制と言われてきた英国ですが、二大政党の支持率の落ち込みの中、下位政党の自由民主党(紛らわしいので、以下、英自由民主党と記述)がキャスティングボードを握るのではないかという情勢。

http://www.telegraph.co.uk/news/election-2010/7511352/Poll-Tracker-UK-General-Election-2010-Opinion-Poll-Tracker.html

4月8日0時現在で、保守党37%、労働党30%、英自由民主党20%と十分な第三極に。
もちろん露出では既存の二大政党に劣る等の要因で下がるだろうけど、福澤諭吉・岩倉具視らが視察し日本の政治制度の見本である英国でも二大政党制に退潮の兆しが見えたことは興味深い。

二大政党制の成立要因・意義には諸説あるが、共通しているのは保守・革新(共産主義・社会主義等)の対立、都市と農村の対立など、十分な対立軸が存在することの必要性である。
(実際は対立軸といっても議論不可能なほど差異があると、急な政策転換で国家・生活の安定性を欠くか、武力による対立などになりがちだが)

しかし、今の現実の諸問題に対し、二つに明確に解答が分かれるようなことが無いのは、Twitter等の議論を見ていても違うのが観察できる。
では、多数の意見が乱立しまとまらないかというと逆で、多数の意見がRTを繰り返しながら自然と合理的な落ち着きどころに辿り着こうとしているように思える。
松下幸之助翁は「世間は正しい」と述べたが、プロの政治家が一向に議論を帰着させないのを余所にTwitterつぶやき世界は、正しい(かどうかはわからないけどそれなりに万人の議論を経た)答えを導いているように振る舞っている。

ここでTwitterなどネットを通じて多数人の眼による洗礼を受けた結論が正しいかどうかは置いておくが、現実の選挙制度の中で、二大政党に世間がしっくりこなくなったときに第三極が浮かび上がってくるものだとすると、現在の制度上で世間が思う「正しい」解答を反映する手段はあまりに貧弱であると言う他ない。

2ch・Twitterなどの議論の「まとめサイト」などは世間の思う「正しい」解答の一つの形であると思うが、なんだかんだ大都市圏以外の地方に出ると既存のマスメディアでさえ満足に視聴できない視聴されないというのが現実な訳で、「まとめサイト」などとてもまだ人口に膾炙する力はない。

せっかくなら、取材経費もまともに使えなくなって番組作りに四苦八苦している既存メディアは、「まとめサイト」などネット世界に存在する良く編集された情報源をもっと用いれば良いのにと思う。

取材費は安上がりだし、それぞれの地方の国立大の先生などにコメントさせる程度のフォーマットでそれなりに画になり、記者クラブ等大本営発表の丸写しより大分興味深いものになるはず。

そう言えば与党英労働党の政策、Building Britain's FutureやDigital Britainはどういう評価・結果なのか、把握してないがどんなもんなんだろうか。あんまり報道されてないが~
Welcome to the digital home of the UK Government
http://www.hmg.gov.uk/

英国は首相官邸(ダウニング街10番地)のiPhone Appまであったり、ネットの流行には全て追随する勢い。
http://www.number10.gov.uk/Page22883

日本の地デジ化も、総務省が宣伝して経産省がエコポイントで援護射撃してとかの小さい話じゃなく、官邸主導でこのぐらいの大きな政策パッケージの中でやれば見せ方としても、より受け入れやすいだろうと思うのだが。

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