【「財布の価格を200倍すると年収がわかる」のだって。へっ!】ブランディングの話
皆様こんにちは。鈴与シンワート株式会社の正林です。
先日書籍、雑誌購入などに書店へ寄ったところ、雑誌表紙の目玉記事で
「財布の価格を200倍すると年収がわかる」
とありました。何の媒体かすっかりと失念してしまいましたが「まだそんなこと言っているのか。ヘナヘナ。」という感を覚えたことだけは鮮明に残っています。以前にも違う雑誌で、同じ様なことを記載されていたので表紙を見ただけで、もう論旨展開を勝手に予想してしまい、内容みることもありませんでしたが。
この「財布の価格を200倍するとその人の年収になる」少し話題にもなった題材ではありますが、一応簡単に補足をさせていただきます。
※当ブログ内容は、本書についての書評ではなく、ブランディングという観点から周辺媒体の取り扱いについての見解を記述しています。
この上記書籍のなかにある記述で「財布の価格を200倍するとその人の年収になる」というものがあり、それをスコープしたキャッチなわけです。すなわち
*3万円の財布を使っている方 > 年収600万円
*5万円の財布を使っている方 > 年収1000万円
*8万円の財布を使っている方 > 年収1600万円
というように、傾向的にワカッテしまうという、本書の中での見解・法則を取り上げたものになります。
で、あのね!と私が思ったのは、雑誌の表現では
● 「高い財布を持つと、年収がうなぎのぼり!」
という風にしか見えないのですよ。書籍の内容本旨は「お金の使い方や管理意識の高さが、比較的財布というアイテムに表現されやすい」ということです。にも拘らずこの雑誌の書き方では「年収1000万円になりたい人は5万円の財布を買うことから」のように見えます。これでは、本来主旨からして本末転倒なことになってしまうわけです。
「5万円の財布を購入することだけ」
をもって年収1000万円になることを期待している人がいれば、間違いなくそれは実現できないでしょう。
この逆のアプローチでそれを実現することが出来るのは、購入するという行為こそ先行しているものの目指す収入に向けての努力を惜しまず仕事をしている方。そして、その購入した行為を自らのプレッシャーや行動を改める気づきのツールとして活用する方です。
確かに本書には「願掛け」的な要素も割とふんだんに記述されていて「?」という部分もあるのではありますが。だとしても、読者だってバカじゃないのだから、その本意くらい解かりますよ。本当にもうっ!
こういった書籍の一部分だけを切り出して過剰にフォーカスする、便乗企画やコピーはかえってもとのソースのロイヤリティを下げてしまう。
同じようなことで、先日から映画「リング」の3D化上映のプロモーションがされていますね。始球式に貞子が現れる、渋谷の街を貞子のコスプレで大勢で練り歩くetc。これを見ていても同じことを思うのです。
貞子という恐怖の対象、ミステリアスな要素がこのコンテンツの価値であるにも拘わらず「道化」のようなプロモーションを行なっている。これで実際のコンテンツのブランディングとしての成果はあるのかは大いに疑問ではあります。
ただし、通常のセオリーから外れたアプローチから価値に気づくことも多くあるわけで「稼ぐ人は・・・」であっても「リング」にしても何らかのロイヤリティを獲得できるのかもしれません。
あくまで「敢えて前向きに云えば」という但し書き付きではありますけれども。
まぁ偉そうに云ってきましたが、私も便乗、コピーに釣られているからこんなことを書いている、と云われてしまえば反駁できませんネ。
<了>
※参考
稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか? |
-正林 俊介-
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