人をたくさん歩かせる仕掛け ~ソフトバンクFitbit使用体験記~
ソフトバンクのフィットビット(Fitbit)を使い始めて1年以上になるので、レポートします。今回レポートするのは、私のナマの活動記録です。製品への感想ではありません。
ちなみに私が使っているのはFitbit Flexというタイプのもので、いつも手首につけています。腕時計と一緒にしているが最初から邪魔にもならず、私は風呂に入るとき以外、四六時中つけています。眠っているときも、です。(製品紹介はこちらhttp://www.fitbit.com/jp/flex)
フィットビットは歩数や睡眠状態を測ることができ、こういうものを一般的に「活動量計」と呼び、最近はかなり流行しています。軽くて体に装着できる、ウェアラブルの形態になったことが大きいですね。
ちなみに本体はこんな感じでとても小さいものです。リストバンドの中に埋め込んだ状態で手首に装着します。歩数や睡眠時間のデータは、この小さな本体からブルートゥースでスマホに送られ、アプリで確認することができるようになっています。
そしてこれがアプリの画面です。ソフトバンクの「ヘルスケア」というアプリです。
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さて本題です。
ご紹介するデータは私の歩数と順位の記録です。
私の記録だけですが、こうした活動量計に参加する人たち(母集団)の傾向がうかがい知れればと思います。「人は一週間でどれぐらい歩くものか。沢山歩く人はどれぐらい歩くものなのか。」などが分かればよいかと思います。
運営会社のソフトバンクは「誰よりも歩こう!」という歩数コンテストを毎週開催しており、月曜にエントリーを閉じて翌月曜日までの歩数を集計し、翌日(火曜)に順位集計を報告してくれます。順位というのは、このコンテストに参加したユーザーを全体とした順位のことです。
そういう意味で、順位というのはフィットビット・ユーザー全てを母集団にした順位ではありません。
私が初めてコンテストに参加したのは今年2月で、フィットビットを使い始めてから数ヶ月たっていました。当初から参加していなかったのは、私には「コンテストにエントリーする」ということが縁遠いと思われたからです。
初参加の成績は、歩数は85,634歩で1322位でした。
これは自分の中でちょっとした事件になりました。
「一日平均1.2万歩で全国で1300位に入れるのだ」という手応えを得たのです。
案外上位を狙っていけるかもしれないという見込みが湧き、ここから毎週のようにエントリーが始まりました。
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歩数と順位には関係があるか
何週か経過してから、歩数と順位の関係を知ることにとても興味が湧いてきました。
そしてこれが、25週分の歩数と順位をプロットして散布図にしたものです。
ばらつきはありますが、滑らかな曲線を描く傾向が見られました。母集団(コンテスト参加者)は毎回ちがいますが、歩数と順位には強い関係がありそうです。
最下位のときは4万歩で1731位だったので、恐らくコンテスト参加者は2000人程度ではないかと思います。コンテストに参加するユーザーともなれば、1週間で4万歩を下回る人はあまりいないと思うからです。
余談ですが、当初私が歩数と順位の関係に興味を持った理由には、1つの疑念がありました。失礼かもしれませんが、運営会社であるソフトバンクに対する疑念です。
それは「私の順位はソフトバンクが歩数を使った数式で機械的に出しているかもしれない。コンテストにエントリーしている人は実際はこんなにもおらず、自分は一人芝居のように歩かされているのではないか」という疑念です。他愛もない疑念ですが。
しかしもしこの疑念どおりだったとすれば、歩数と順位の関係は規則的で、プロットされたデータも曲線上にピチッと並んでいたかもしれません。
しかし見てわかる通り、データの並びが多少の膨らみをもって並んでいましたので、疑念が少し晴れました。完全にではありませんが、これ以上疑うのはバカバカしいところです。
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歩数と順位の対数は概ね、比例する
上のグラフは100位以下の傾向が真っ平らになってしまって分かりにくいので、順位を対数にしたグラフに置き換えてみました。このすると100位以下のところも歩数と順位の関係が分かりやすくなります。概ねですが、歩数と順位の対数が比例した関係にあることが見て取れます。
この上に近似曲線を描くとすれば、こんな感じになります。
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順位を上げるのに、どれだけ歩けばいいか
当初から歩いているときに「順位を1つあげるのにどれだけ歩数を稼げばいいのか」を考えていたことがあったので、近似式(※後で補足)を使って推定してみました。
実感値として、100位台のときと1桁台のときとではまるで苦労が違う感覚があります。100位台のときはすぐに順位を上げられますが、1桁台のときは相当歩かないと順位を上げらません。
1位アップするのに | 必要な歩数 |
2位→1位 | 79,000歩 |
10位→9位 | 6,200歩 |
100位→99位 | 270歩 |
1000位→999位 | 33歩 |
参考までに近似式は、曲線がS字形(変曲点が2つ)をしているとして、3次の多項式で作成しました。多項式近似は、順位を対数に置き換えないとうまくいきませんでした。データ処理的にはここが苦労したところですが、レポート上は割愛します。