《Life》親父から学ぶプロジェクトファシリテーション
ぼくには、3人子供がいるのだが、最近地域の子供の育成会に参加して自分の親父(平鍋金一)について、新しい発見があった。今日はそのことを書いてみる。(親父は昨年死去している)
その育成会は、過去に親父が仕切っていた時期があり、今でも根付いている活動の中には親父が始めたものが多い。育成会を世話してくださっている大人の人の中に、過去の親父の活動をよく知っている人がいて、話を聞く機会があった。たとえば、「おはようマラソン」といって、ラジオ体操の前に周囲をジョギングする、という活動を親父が提案、やりはじめたのだが、それは今でも続いている。
その人によると、親父のやり方には特徴があり、特に次の2点は外の人にはない発想だったという。今のぼくが、会社やコミュニティで活動を進めていく中で、とても参考になる気づきを与えられた。
- 広報を重視
何か新しいことを始めるときに、「広報」(新聞など)をうまく活用していた。例えば「おはようマラソン」だと、開始時に福井新聞の記者を呼んでおり、その様子は写真つきの新聞記事として次の日の新聞に載る。これは、地域の活動を認知させたり根付かせたりするときに、内部からではなく外部から広報したほうがより効果的にみんなを納得させられるし、モチベーションも上がる、という手法だと思う。小さな一地域の活動なのだが、それが福井県全域に広報される。それを読む地域の人は、大きな誇りを感じるだろう。親父は市役所に勤めていた関係からも、記者とつながりが多く、うまく人脈を活かしていた。
- リーダーの育成
小学生に「リーダー研修」(外部研修、内部研修)をしていた。これには少し驚いた。特に、各班にはリーダー(6年生か5年生1名)を指名し、その子たちに、「リーダーとしての振る舞い」や「問題が起きたときの行動」などを教えていた。また、外部研修として合宿形式の研修も夏休みに開催していた。このことは、大人たちが子供たちをトップダウンで指揮するのではなく、小グループにローカルリーダーをつくり、自主的に組織化する、という形を目指していたのだろう。また、子供たちが将来社会に出て行くときに、ここで学んだリーダーシップは大きな力になるに違いない。
人から自分の父親のことを聞いて、はっとさせられた経験は何度もある。自分の中に流れる血を感じる。