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Mobile First いまが好機! ワークプレース変革をモバイルが先導する(前編)

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IBM Mobile First いまが好機! ワークプレース変革をモバイルが先導する」。

そう名付けたタイトルのIBM Pulse Japan 2013の講演も5/24に無事に終わりました。その講演に関連する内容を2回に分けてご紹介したいと思います。
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IT業界でモバイルファーストと言うとき、PCよりもモバイル向けにアプリケーションやシステムを開発していこうという動きを指していることが多いのですが、今回、その言葉をワークプレース変革に向けた言葉として用いています。モバイル・デバイスの活用検討・導入をワークプレース変革の足がかりにしよう、という思いです。

ところで、2014年の4月9日に、Windows XP、Internet Explorer 6、Office 2003のサポートが切れます。これに対し、多くの企業は、既存のPCをWindows 7が導入されたPCへ置き換えようとしています。しかしながら、ワークプレースを取り巻く次のような課題は、単純な端末の置き換えでは、解消されません。
  • ログインまでの時間が長い
  • HDDがよく壊れる
  • 暗号化で操作がもたつく
  • PCを社外へ持ち出せない
  • パッチ適用で業務がしばしば中断する
  • インターネットが見られない
  • 社員のITリテラシーが低い

このままでは、再び円滑な業務の妨げとなるワークプレースを提供することになってしまいます。しかしながら、近年のIT投資動向を確認すると、史上最低の成長率となっており、ワークプレースを改善しようとしてもできないのが実情です。一方、モバイル・デバイスはそのような状況においてもトップエリアの投資対象となっています。そこで、単純にモバイル・デバイスを導入するのではなく、ワークプレース変革までのロードマップを描き、その最初のステップとしてモバイル・デバイスの活用を位置づけるアプローチが有効なのでは、と考えました。

モバイル・デバイスは、PCと同じように顧客データを取り扱うデバイスになるため、企業として利用基準(ポリシー)を決めておく必要があります。そのポリシーの項目には、一般に「デバイス」、「ガバナンス」、「サポート」、「アプリケーション」、「ITインフラ」、「ネットワーク」、「セキュリティ」があります。これらの項目は、既存のワークプレース環境に影響を与える項目であり、モバイル・デバイスを利用するということは、ワークプレース環境を見直すきっかけになるということです。

2013年現在、IT業界ではDevOpsという言葉が使われ始めていますが、今、既存環境の維持や運用よりも新しいシステムを生み出していくことに重点が置かれようとしています。ワークプレース環境を振り返ると、Windows XPの維持だけではなく、本来の業務に集中できるワークプレース環境の提供に積極的に取り組んでいくべき状況です。

さらに別の観点では、現在の若手社員やこれから入社してくる世代は、デジタルネイティブとも呼ばれ、モバイル・デバイスなどを当たり前のように活用しており、陳腐化したワークプレース環境では、やがて、その企業を離れていくことになりかねません。

では、モバイル・デバイスの活用が企業のワークプレース変革にどのように寄与するのか、次回はその点に触れていきたいと思います。
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