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定時退社は推奨すべきか? 〜制約がないほうがいい人、あったほうがいい人〜

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 先日、社内でこんな主旨の話題があがりました。

 「定時退社(業務終了)を、促していった方がいいのかな?」

 背景として、最近、メンバーにやや疲労感が見えてきて、
「将来のための活動、例えば新製品とは言わなくとも面白そうなプロトを作ってみるとか、直近案件に結びつかなくとも人に会ってみるなど、萌芽のための水やりみたいなことが、やや滞っている」
ということから来ているようです。

 定時業務の時間内で、このような活動を禁じているような会社ではありませんが、通常の開発業務も多く、定時後くらいには、好きなことができる環境にあって欲しいと思っての発言だと思います。

 また、同時に、発言者からは、こんな話もありました。

 「IT/開発系にて、定時を定めている企業では、仕事量のバランスが考慮されておらず、結果的に昼食時間/休憩時間も割いて作業を進めないと終わらず、逆に疲弊している」

とのことでした。このようなケースが、稀なのか私は分かりませんが、そもそも投入量とキャパシティーの不一致によるマネジメントの問題かと思います。

 将来にむけての活動を進めるにあたって、定時退社の促しについて、私は次のように考えます。(ので、そのときも同様に意見しました。)

 人は、制約がないほうがパフォーマンスがいい人もいれば、実は、制約があったほうがパフォーマンスがいい人もいる。

 以前、私は仕事の仕方を大きく変えました。

 前職時代に私は夜間に社会人大学院に通っていました。入学のその日から、それまで同僚と一緒にとっていた昼食(外食)も、「今日から、ダイエットしたいので、社内で食事するよ。」と言いました。昼食時間には、仕事をすることもありましたし、読書やレポートのための調べものをすることもありました。無論、理由とあげたダイエットとして、一時期(約2年間)は菜食主義となり、お肉は一切口にしませんでした。また、6時には、「じゃ!帰ります!」と言って、会社を出ました。それまでは、顧客対応などもあり、少々、だらだら7〜8時までオフィスにいることもありましたが、切り替えました。無論、6時にオフィスを出ないと大学に間に合わないので致し方なしなのです。
 しかし、仕事の仕方を切り替えても、パフォーマンスは落ちなかったと思います。お客様や同僚からも、十分な評価をいただいていました。
 大学院はほぼ毎日行きました。夜10時前に講義が終わりますが、その後、メールを受信して、夕刻までに済ませたお客様の対応で、一部レスがあったお客様に再度フォローしておきます。また、海外のスタッフ(欧州)は動きが活発になるので、この時間帯で多少メールを入れておくと、翌日朝までには、さらに一報が入っていることもあります。結果的には、場合によって丸一日分、素早い対応ができることも多々ありました。

 制約がない状態とは、実は、自分自身で制約を設けていることのほうがほとんどだと思います。つまり、制約は、自分で設定するか、他人に設定してもらうかのいずれかとなると思います。

 なかには、制約は他から設定してもらったほうがよいと言う人もいることも忘れてはなりません。

 「将来の(会社/仕事)ための準備なら、各自、進めていいよ!」といったところで、実は、「○時〜○時まで、時間を区切ってもらった方がやりやすい」「具体的に、アイディアを出してもらった方がラク」というタイプの人も少なくありません。別に、指示待ちタイプということではなく、自由度に対する気遣いを嫌う、つまり、堅く言うなら、自分で制約を設定するコストの支払い(お金のことではありません・・)を好まないタイプと言えるかもしれません。

 少なくとも、定時後を会社の将来のため、自分のキャリアアップのために、有効に活用したいと思う、自己管理できる人、つまり、制約がないようがいいような人のために、それをしやすい環境が会社に欠けているようであれば、伸びたい人が成長できるような環境・社風に変えていくこともリーダーの役目の一つかと思います。キャリアアップに限定することなく、スポーツもよし、家族団らんもよしです。広く、人とあって見聞を広めることもいいと思います。
(制約があったほうがいい人については、CDPが担うべき部分かもしれません。)

 このご時世、電力使用の問題もあり、定時退社の風潮にはなるでしょうが、自身やメンバーの成長の観点からも、見つめてもいいかもしれません。

 若いメンバーは、どうしても諸先輩、リーダー、上司/上長の顔色は気になることと思います。現場がどうしても気になるリーダーもいるとは思いますが、

 「じゃ!」

と、サクッと定時で切り上げて、オフィスを去っていくリーダーも、それはそれでよいかと思います。在宅でも、仕事が出来る時代ですので。

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