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中小企業診断士がリードするビジネスゲーム。自ら実践したリスキリング(学び直し)の体験談などご紹介いたします。

「リーダーシップ」の誤解 〜良好な関係の状態を指す"-ship"〜

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 そもそも、リーダーシップは、個人に備わる能力なのだろうか?リーダーシップを発揮するというが、能力やスキルであることが前提となってのことだろう。
 辞書や書物を見れば、リーダーシップは、「指導者としての地位または任務」と組織におけるポジションを指していたり、また、「指導者としての資質・能力・力量」とその能力やスキルを指している。(広辞苑より)

 フレンドシップ(friendship)は、「友情」であり「交友関係」であり、「親しい関係」である。また、ビジネス上のお取引先等、パートナーシップ(partnership)は「提携」でありビジネス上の「協力している関係」である。
 フレンドシップやパートナーシップは、1個人/法人が肩で風切るように、「ブンブン」と発揮するものではなく、互いの関係において構築されるものではなかろうか?つまり、フレンドシップもパートナーシップも、その構築された関係の状態を指すものこそ、本質的な定義と言えると私は考える。

 suffix として、"-ship"の意味として、「状態・性質」の他にも「資格・地位」も含まれていることは承知の上だが、真意として -ship には、「集団におけるその関係の状態」があると考える。無論、言語学者でもないので、偉そうなことは言えないが私はそう思う。

 エンジニアであろうが、セールスパーソンであろうが、職務によらず、組織を率いるべく役割を担いたいと考えるのであれば、その「組織内の垂直/水平を含む良好な関係」であるリレーションシップ(relationship)が機能し、「組織を導こうとする牽引側と支持/支援側の良好な関係」がリーダーシップであると考える。良好な関係の構築/維持のための資質・能力とも言えるのであろうが、あくまでも「関係の状態」が前提であり、業務遂行のためだけに単なる報告する側・される側の役割分断はリーダーシップと言えるか疑問である。

 「自分がやりたいことができれば、かまいません。メンバーには、各自で判断してもらって進めていけばよいのでは?」との進め方が、前述の「良好な関係」への発展の可能性を高めるかどうかは、少し考えてもよいと、私は思う。

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