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地方都市のおじさんが思う「家族と仕事とお勉強のワークライフバランス」

ものづくり・ことづくり その3 〜ITに期待されている役割と人材育成〜

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 先日からの続きですが、今日でまとめとします。

 そこで、ITに期待されている(と勝手に考える)役割を、岡田准教授の提唱するサービス原価企画のフレームに照らし合わせて考える。サービス組織の経営活動モデルにおいて、中小企業に注目するとき、それは同モデルの指すオペレーションの準備段階であるキャパシティ構築にあると考える。つまり、オペレーションのインフラの提供に特化するも、サービスの詳細設計を考慮せず、むしろ、業務プロセスに配慮せず、枠組みをITに合わせる進め方は少なくなかったと思われる。
 岡田准教授は、この基本モデルはサイクルをなすとしており、その点からは、ITに期待される役割は、徐々に上流を十分加味したフロントローディング的な発想が必要となるであろう。サービス・エンジニアリングが跨ぐ詳細設計の領域に踏み込み、顧客の業務プロセスを理解し、分析し、プロセスの見直しの提案の核、もしくは一部にITがあるべきと考える。

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(※ LBI のプレゼンテーションに、一部、加筆修正を加えました。)

 結びとして、ここまで、なにかカッコいい事を言い続けてしまったようだが、社内でまず、出来る事はなかろうか?との投げかけである。

 中小企業における社員教育は、OJTの傾向が高いことは多くの白書で触れられている。懸念される点は、そのOJTが計画的ではない点にある。誤解を恐れず言うのであれば、大企業と比較すると「細かいところに手が届く」という言い訳をしながら場当たり的な指導になっている傾向があるのではないだろうか?

 私自信の取り組みとしての紹介になり恐縮だが、社内にて教育プログラムを行っている。社員であれば、新人から社長まで問わず参加できるワークショップの開催である。年に6〜8回程度を1期として開催している。テーマは、広く経営学としており、その名も、MBA ( Mini Business Administration ) である。座学あり、ケースあり、演習ありで、今年で3期目となる。

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 サービス・プロフィットチェーンが示すように、顧客への価値あるサービス提供の源泉には、従業員の高い満足度の裏支えが必要であろう。教育の機会への懸念があるのであれば、むしろ、指導的立場の人間こそ、その機会の提供にあたり率先して動くことも必要ではなかろうか?

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