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地方都市のおじさんが思う「家族と仕事とお勉強のワークライフバランス」

け、研究計画書ってなんですか?

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 先日、以前の職場の後輩からメールがあり、久しぶりに会うこととなった。秋葉原で合流し、居酒屋に向かった。
 三年ぶりだが、年に数回はメールをする仲で、雑談も早々、本題となった。大学院進学にあたり、詳しい話を聞きたいとのことだった。以前から、メールで薄々興味があることは、行間からも読み取れていた。彼自身、語学はかなりイケるほうだし、常に問題意識をもっていたこともあり、いつもであれば、コーチング如く、意地悪な問いかけもしてみるが、単刀直入に、「迷っているなら、まずは、受けた方がいい!」とアドバイスした。彼の興味や関心も聞きながら、いくつかの大学院を紹介し、「募集要項を取り寄せたほうがいい」と話をした。ちょうど、今の時期が、多くの大学院で2月頃に設定される2次募集の要項の配布が開始される時期なのだ。

 私自身、最初の受験の際にも、かなり苦労したことがある。募集要項を見ると大学の卒業証明書や成績証明書の提出と共に、「研究計画書」なるものの提出が求められている。
 
 そもそも、研究計画書なるものがいかなるものなのか、まったく想像がつかない。決まったフォーマットはないらしいが、一体全体、何を書けばいいのか、分からなかった。当時、頼れる人はいなかったので、

妹尾堅一郎(1999)『研究計画書の考え方 大学院を目指す人のために』ダイヤモンド社

を買ってみた。良し悪しが分からなければ、どのような点を注意すべきかまったくわからない。この本は、10本程度の研究計画書がサンプルとして掲載されており、各々に対して著者からのコメントが加えられていた。(今では、もっと多くの本が出版されていると思う。)これらを、徹底的に読むことで、概ね、書くべき要点を押さえることができた。

 今の自分は、多少は熟れてきたので、ざっと示すとこんな感じだろう。

  テーマ
  背景
  目的
  先攻研究
  貢献/効果
  参考文献

 当時の私もそうであったが、読み進めると同時に最大の課題にぶつかることとなる。当然といえば、当然なのだが、「何を研究するのか?」という研究対象が、実に曖昧であることに気が付く。私の場合も、「まずは、受けてみる」からスタートしてしまっていた。真摯に研究者を目指す学生にとっては、まず、明確な研究目的やその意義があり、その達成にあたり計画が立案される。自然に考えれば、ビジネスにおいても、まったく同様である。事業計画を出すが如く、研究にも計画が求められる訳だ。
 が、「まずは、受ける」と決めたからには、とにかく、やることした。やって、失敗しても、次回に活かせる何かがあるだろうと思ったか、今はよく思い出せないが、何故かスイッチが入ってしまったようで、出張先の名古屋のホテルで毎晩のように、調べものをした記憶だけは、鮮明に残っている。

 受験を検討している方へのアドバイスだが、受験にあたり研究計画書を求める大学院には、2つのタイプがある。一つは、原則として、研究計画書通りの研究が求められ、指導教官及び修士論文も計画書に準じたテーマ設定となるタイプ。入学後に、指導教官を決める(いわゆるゼミを決める)段階にて、この研究計画書をもって指導をお願いする訳である。もう一方は、必ずしも研究計画書通りの研究とする必要はないタイプである。研究計画書は、あくまでも研究計画の立案能力を評価するものであるとの位置づけらしい。指導教官の決定についても、大枠で合致していればよいといった感じ。(ファイナンスの先生に、オペレーションマネジメントの研究指導をお願いしても、受ける側の先生も困惑してしまいまうだろう。)

 どちらのタイプになろうとも、テーマ設定については、自身の問題意識の再確認だと考えてみるとよいかと思う。(と、かっこいいことは言うものの、私は安易に設定してしまったことで、とても苦労した。)

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