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【中国人に聞いたVol.5】中国13億人の経営者と投資家達[Vol.2]

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前回の記事からの続き

日本のように製造業が特に発展したのは国の主導もあるが、何よりも優秀な
労働者の功績が高い。質の高い製品を安いコストで製造できた製造業がまず最初
に発展することで経済成長が始まり、そしてその周辺へと広がっていったのが日本
の経済成長である。製造業が日本の基幹産業であると言われるゆえんである。
しかし、中国の場合、日本のようにある特定の産業が発展して経済成長してきた
わけではない。
 
「労働」だけが豊かになる手段ではない。
中国にはまず経営者が出てくる環境があったこと。そして何より人間同士の結び
つきが強かったために、結果的に投資文化が根付いたことこそが、経済発展の
原因と考えることが出来る。今では家族団らんの席でここに投資すべきだ、
いやこっちの方がいいと多くの人間が毎日議論しているのである。
 
よく中国人は、ビジネスの話(儲け話)をよくするがそれを具体的にどう利益にして
いくのかという話になると途端にトーンダウンする。これはいつも投資家的な立場
もしくは経営者的な立場で物事をいつも見過ぎているからだと思う。そのために、
具体的な業務については全く分からない、もしくはそれは苦手という人が多い
のも中国人の特徴でもあるのだ。多くの人が経営者的・投資家的な考え方に
偏り過ぎているからに他ならない。
 
中国人労働者は働かない。日本人のように会社への忠誠心がないと日本人から
見ればそうなのだが、そんなのは当たり前だ。日本は、世界的にも特殊で日本
国民の殆どが優秀な労働者になることを望んでいるのだから、それを基準にして
中国人を扱うことがどんなに無意味かがお分かり頂けると思う。
 
ただ、この方法で成長してきたがために失ったものもあるのは事実だ。それが
優秀な労働者に他ならない。製品の質・サービスの質という点ではやはり劣る
部分があるのが現状だ。例えば、素晴らしい技術者が育ってきているとは思えない。
もし、中国が優秀な労働者を生み出すようになったらそれこそ凄まじい経済成長を
さらに続けるだろう。

最後に、インタビューした中国人からコメントがありましたので、記載しておきます。



『中国人は、投資配当や不労収入は皆の望ましいことで、一発逆転こそ最強だと
考えている。実際、周りに一夜にして大金を稼いだ人は多く、稀ではなくなって
きているのが現状です。コツコツ勤労していたのでは一緒貧乏から脱出できない
と誰もが思ってると言っていい。コツコツ勤労こそが貧乏の象徴と思われ
ていて、バカにされることもある。
 
例えば中華圏では人気トップの座を長い間守り続けた有名女優のコン・リー
がシンガポールの華人と結婚した時、ネット上では彼のある経歴が暴露され、
皆の嘲笑の的になった。とある経歴とは、『数十年の下積み苦労や努力に
よって企業トップまで登り着いた』という経歴である。
 
中国人にとっては、検索エンジンのBaiduやSinaのような短期間で一発逆転の
成功者が尊敬される傾向があります。日本と真逆です。ただ、一発逆転ばかり
が良いとは思わなくなっているのも事実ですが。
 
コツコツ働きたいチャンスも手に入れられない大卒や若者は中国には沢山
います。そんな中で、地球上最後で最大のマーケットとして世界中から投資
が集まっている。この事実は、多くの中国人にとってチャンスにしか映らない。
今の中国人は、ハングリー精神と強欲の塊のように豊かさを求めているのです。
 
なぜここまで成長できたのか?それは富への欲の強さと経済に熱いハングリー
精神にほかならない。鄧小平の南巡講話により、政府支配により眠っていた
頭脳を刺激することにより、またこれまでなかった自由を与えたことで、
史上最短期間で先進国レベルまで成長した富への欲の強さとハングリー
精神はハンパじゃない。』


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