ICT人材不足を女性が救う?
3月8日の国際女性の日にちなんで、EUは先週、女性とICTに関するカンファレンスを催した。世界的に男性の比率が多いICT業界で、女性エンジニアにもっと活躍してもらおうという狙いだ。
EUの資料によると、まずはエンジニアそのものの増加率が落着きを見せているようだ。1998年、欧州27カ国で合計約15万強の学生が大学卒のエンジニアとなった。2004年には、この数は32万人に膨れ上がったが、年増加率は1998年が60%だったのに対し、2004年は10%。今後の人材不足を懸念する声もある。
エンジニア系高等教育における女性の比率は増しているが、まだまだ少ない。2004年の比率は19%で、オーストリア、ポーランド、ポルトガルなど。女性エンジニア(大卒者)が大きく減っている国もあるという。
企業の幹部で活躍する女性も少ない。欧州150社のテレコム関連企業のうち、女性役員の平均比率は6%。EUでは、女性がキャリアを進めてICT業界で残るようにするための策が必要だとしている。
テレコム企業といえば、数年前だったかNokiaのプレス向けイベントで、記者の中からそのような質問が出ていた。優秀で適格とみなされれば起用している、みたいな回答だったと記憶しているが。Nokiaをはじめ私が知っている企業では、女性は広報に多い。このあたりは、向き不向きの問題かとも思える。EU加盟国ではないが、ノルウェイでは女性の取締役を4割以上とする法が導入されている。
EUによると、欧州におけるICTエンジニアは不足状態にあり、数にして約30万人が求められているという。ここで女性の活躍を促していきたい、と同じく女性であるEC情報社会・メディア担当委員のVivienne Reding氏は考えているようだ。