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GSM、20周年

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9月7日、無線通信方式のGSMが20年目を迎えた。

GSMを推進する業界団体GSM Association(GSMA)によると、20年前のこの日、欧州13カ国のオペレータ15社がデンマークで、欧州で単一規格の無線網を開発・実装するという覚書(MoU)に調印したという。当時、GSMは現在の「Global System for Mobile Communications」ではなく、「Groupe Special Mobile」の略だった(詳細は、IT Mediaさんのこの記事などを参照)。

欧州各国単位で技術の開発・実装を行うよりも、標準として統一することで、スピードと規模の経済を適用できるというのが狙い。欧州連合(EU)や単一通貨ユーロの土台となっている考えをここでも用いることにした。

そのようにして立ち上がったGSM、その後の携帯電話の発展と共に重要な標準となった。現在、世界の人口の約3分の1の人がGSM(WCDMA含め)対応の携帯電話手にしており、GSMをサポートした電話は、携帯電話の総市場の90%を占めているとのこと。GSMAによると、GSM関連テレコムサービスは世界のGDPの1.6%を占めるという。

その一方で、オペレータ間の協力関係が転じてEUによるローミング規制にいたった例もある。EUはGSMのサクセスストーリーを、モバイルTVでも再現しようとしており、今年7月にはモバイルTV規格として「DVB-H」を支持する方針を発表している。

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