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EUのiTunes調査と価格差

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欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)がAppleとレコード会社に対し、Appleのオンラインメディアサービス「iTunes」でみられる域内地域制限について異議声明を出した(ニュース記事はこちら)。

現在、フランスのiTunesを利用して楽曲を購入するには、フランスの金融機関が発行したクレジットカードが必要だ。ところがEU域内の1曲当たりの価格はというと、仏、独などのユーロ圏が0.99ユーロセント、英国が79ペンス、デンマークでは8デンマーククローネとなっており、これを単純に米ドル換算するとユーロ圏は1.32ドル、英国は1.56ドル、デンマークは1.43ドルとなる。この価格差については、iTunesが欧州に上陸したのと同じ年の2004年に英国の消費者団体が公に苦情を申し立て、その後EUが調査に当たってきた。EUでは価格のほか、楽曲ラインナップも地域により異なるとしている。

英BBCの報道によると、Appleは、欧州全体で同じサービスを提供したかったが、音楽パートナーの要求により制限を設けざるをえなかったとコメントしているようだ。

一口にEUといっても、税率も異なるし、平均賃金も異なる。ユーロを導入していない国もある。域内の価格差はiTunesに限ったことではない。フランスの私がスペインに行くと割安感を感じるし、デンマークの友人はフランスは安いという。物価は一般に北に行くほど高くなるが、陸続きではない英国に行くと、地下鉄からレストランまで高いと思う。当然所得が高いのだろうと思うのだが、3年ほど前に雑誌で見たときは、IT従事者に限っては、英国、ドイツ、フランスの3カ国の賃金にそれほど大きな差はなかった。ちなみに、マクドナルドやスターバックスは同じような価格設定にしていたと思うのだが、次に行く機会があるときに調べてみよう。

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