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EU、小・中学生の理科離れにタックル

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日本でも話題の教育だが、EUが小・中学校レベルでの理系教育を支援するため、その分野の専門家を集めたグループを結成した。

このグループを率いるのは、フランスの元首相のMichel Rocard氏。2005年の欧州ソフトウェア特許の否決で重要な役割を果たした人物だ。Rocard氏は4人の専門家とともに、理科教育の質やレベルを向上するため、ポリシーを作成する。

最大の目標は、ナレッジ社会の到来に向けた若い世代の教育。背景には、若い世代が理科への関心・興味を失っているという認識があるようだ。EUに住む成人の80%が「理科への関心は将来の繁栄に不可欠」と回答しているが、「現在の学校における理科授業の質に満足している」と答えた人はわずか15%だったという。

EUによると、EUでは、現在の理科カリキュラムの難易度は増しており、理科が社会的なコンテキストから外れている、と分析している。実際、調査によると、大学に進む若者は増えているものの、理系分野を専攻する学生は減少しているという。

調査では課題として、新しい教育テクニック、生徒一人一人にあわせたカリキュラム、評価の統一などが上がっているようだ。

私の住むフランスでは、国語と算数に力を入れていると聞く。そのせいか、インターネットや携帯電話など新しい技術の話をするとき、仕組みや構造から理解しようとする人が多い気がする。日本ではあまり分からないでも使っている人が周囲に多い気がするが、この辺りの違いは国民性や文化かもしれないし、教育も関係あるかもしれない。結構興味深い。

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