その技術用語が分からない
いまさらの指摘ですが、人々は技術用語についていっていないようです。
英国を対象にNielsen//NetRatingsが行った「21世紀の英国デジタルコンシューマ」という調査(記事はこちら)では、ブログを「知っている」と回答した人が53%。「聞いたことあるが知らない」が34%で、「聞いたこともないし知らない」が13%となったそうです。実際のところ、そんなものだと思います(そう考えると、「知っている」が85%、「聞いたこともないし知らない」がわずか1%だったiPodは、やはりすごいかも)。
この調査がおもしろかったのが、同じ用語を、略語と略なしのフルで聞いた点。「IM」と聞くと、29%しか「知っている」と答えなかったのに対し、「Instant Messenger」と聞くと、86%が「知っている」と回答。PVR(Personal Video Recorder)、DVR(Digital Video Recorder)、IPTV(Internet Protocol TV)、HDTV(High Definition Television)、VoIP(Voice over IP)なども、略語の方が混乱を招いていた例のようです(例外は、RSS(Really Simple Syndication)。略語で聞いたほうが「知っている」の回答率が高い)。
これを読んでいて思い出したのが、先日のEuro OSCONでのセッション。
女性開発者とオープンソース(OSCONの好きなテーマです。昨年も同じテーマでセッションがありました)についてEU(欧州連合)調査を担当した人がスピーチをしたのですが、プログラミングに興味を持っても、“言葉を知らないので会話についていけない(入れない)”、“知らない言葉を聞くと冷たくあしらわれた”など、入り口で挫折する女性が多いそうです。スピーカー自身(男性)、開発者ではないとのことで、「この調査をするにあたり、いくつかの開発者向けカンファレンスに出席したが、“これどういう意味?”と聞くと怒られそうな雰囲気を感じている」と明かしていました。
それに対し、会場からは「その壁を乗り越えれば・・・」という意見や、「男性はそこで“よし、勉強して次は威張り返してやる”と思うが、女性は引っ込むのでは?」という意見も。
開発者の話は別としても、Nielsen//NetRatingsの調査対象は一般消費者。一般消費者が混乱しているという事実は、業界、特にレポートするわれわれは課題として受け止めるべきだと思いました。