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2007年は携帯電話市場の転機?

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ここまで右肩上がり、それも2ケタ成長で伸びてきた世界の携帯電話市場。今年を最後に、急成長期は終わるーーそんな調査レポートが出た。

これは、「3GSM World Congress」などのイベント事業でも知られる英国の調査会社Informa Telecom&Mediaの報告書「Future Mobile Handsets」の予測だ。同レポートでは今後5年間の業界動向を予想したもの。

それによると、2011年には携帯電話の出荷台数は12億5500万台に達するという。ここ数年2ケタ成長を続けてきた業界、2006年の成長率は15.7%を見込む。だが、おいしい時代はそろそろ終わりのようだ。成長率は、2011年には3%に落ち込むと同レポートは予想している。

同社が挙げた大きな市場トレンドは以下の2つ。

1、業界の統合
端末の多機種化、端末のライフサイクル短縮により、端末メーカーは事業モデルの柔軟な適応を余儀なくされる。これができないメーカーは生き残れない、と同レポートは見ている。

また、成長を牽引する新興市場では利ざやの薄いローエンド端末が主流。端末を安価に供給できる体制と体力があるかどうかも、明暗を分けるという。

このトレンドはすでに見えているものだが、まだまだ統合は続きそうだ。

2、機能ーーカメラの次は音楽とTV
これも、新しいニュースではない。同レポートの予測数値を並べておくと、音楽機能を持つ携帯電話の出荷台数は、2005年の698万台から今年は80%増で2610万台を見込むという。2011年には出荷される携帯電話の55%が音楽機能をサポートするという。

モバイルTV。2011年には、9.6%がTV対応と予測している。だが、規格や規制などの課題も残る。

定着したカメラ付き携帯だが、メガピクセルだけでなく、今後はMoblogにつなげる仕組みなど、ソフトウェアの面で進化が要求されるようだ。やはり、先日携帯向けWeb 2.0アプリを発表したNokiaなどが有利になりそう。これは、オペレータ側でも課題となる。写メールことMMS(マルチメディアメッセージング)はまだまだ改善の余地があると同レポートは指摘している。

地区別には、巨大市場の中国を含むアジア太平洋地区が引き続き好調とのことだ。

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