コンバージェンス
これまでモバイル分野の競争というと、PCからこの分野に進出しようとするMicrosoftに対し、静かに、でも頑固に牙城を守るNokia、というイメージがありました。今回の「Nokia Connection」では、デジタルホームにはじまり、セキュリティ、オープンソース、VoIP、WiFi、WiMAXなどのキーワードが飛び出し、とても携帯電話メーカーのカンファレンスに参加しているとは思えませんでした。フィンランド側では、3Gに加え、HSDPA/HSUPAすら、あまり言及されなかった気がします。
何年も前からいわれてきたコンバージェンスが、いよいよ現実のものになりつつある、その一歩手前ということでしょうか?
世界の携帯電話市場は、3Gの広がりとともに、新たな局面を迎えています。先には、落ち目だったSiemensが携帯電話事業を台湾のBenQに事実上売却しました。IBMとLenovoほどではありませんが、近いものがあります。Samsung、LG電子などの韓国勢は3Gを追い風にシェアを伸ばしていますが、元Sun MicrosystemsのEd Sander氏が率いる米国の老舗Motorolaも、粘り強い底力を見せています。
このような中で開催された今回のカンファレンス、私は、携帯電話市場だけで戦っていくのではないというNokiaの強いメッセージを感じました。
Nokiaという企業は、今年で創業140年を迎える古い企業です。パルプ(Nokia製トイレットペーパーというのが、その昔はあったのだそうです)、タイヤなどを製造していた時期があり、数十年前はTVも製造していました。いまでも欧州の古いホテルに行くと、Nokia製TVに出くわすことがあります。
時代に合わせて自在に変貌を遂げてきたNokiaが、今後どのように展開していくのか、欧州在住の立場から個人的に興味を持っています。ちなみに、カンファレンスでは近未来の図として、接続端末のブレスレットをかざすことでPCに指示を送る様子をイメージビデオで描いていましたが、デザインby Nokiaのブレスレットというのも、なかなか興味あります。
ところで、コンバージェンス(convergence)って日本語では「統合」になるのでしょうか? integrationも統合だしなあ・・・。
写真は、200ユーロをケチって、結局入手しなかった「Nokia 6680」。お別れの前に撮影。動画を共有できるおもしろいアプリケーション「Video Sharing」があるのですが、サポートしている端末同士でしかできないのが難点。