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デジタルとアナログの間を行ったり来たり

穀雨の空を見ながら

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 春雨が降って百穀を潤す、という意味で穀雨。今年は昨日だった。いま東京の空を見上げると、もうすぐ雨が降りそうだ。暦のとおり、この雨は一斉に芽吹いた植物の恵みとなるのだろう。

 折しも、昨晩大きなニュースがあった。そういえば、と思い出したことが2つ。

 1つはOracle OpenWorld Tokyo 2006。明日から開催される同名イベントの「前回」にあたる。その記者会見にて外国人記者が、来日していたラリー・エリソン氏に「OracleはMySQLを買収するか?」と質問していた。当時はOracleがソフトウェア企業の買収を始めたころ。確かにMySQLは魅力的な製品ではあるが、(まだこの先いろいろと買収が続くと知らなかったせいか)その質問は正直意外だった。その質問にどれほどの根拠があったのか、ただ鎌をかけるだけだったのかは分からない。エリソン氏はあっさり「ノー」と答え、その質問は続くことはなかった。むしろどうしてそう質問したのか、その記者に聞きたいくらいだった。

 当時もそれ以降もOracleがMySQLを買収することの現実味はあまりなく、それよりもOracleはほかのソフトウェア企業を次々と買収していった。Berkeley DBも買った。これは組み込み系なのでMySQLとは違うが、これもオープンソースのデータベースである。そうこうしているうちに昨年SunがMySQLを統合した。これでもうOracleがMySQLを買うことはなくなったと思った。ところが、である。そうか、Sunごと買ってしまったか。結果的には。なんて思った。

 そしてもう1つ。明日からはOracle Open World 2009が始まる。イベントのサイトには少し前から「当初ラリー・エリソン氏が登壇する予定だった講演はチャールズ・フィリップス氏の講演へと変更」と案内が出るようになった。要人の来日予定が諸事情でキャンセルになることはそう珍しくはないのであまり気に掛けていなかったが、今から思えばSun買収が関係していたのかなとか思う(または全然違っていたりして)。

 なんてことのない個人の感想で恐縮だが、これまでSunがすすめてきたオープンソースへの取り組み、製品だけではなくコミュニティに対するものも含め、これからもよい形で継続していくことを願う。今回の買収がSunやその関係者にとって恵みの雨となりますように。

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