交差点のコミュニケーション
近距離の車の間でちょっとした会話ができたらどうなるだろう。
先日の話。右側車線を走っていると、交差点の手前で前の車が止まっていた。左側の車線はすいすい流れていく。そこで車内でこんな会話になった。
「前の前に右折車がいるんだな」
「そうみたいだけど(いけないの?)」
「この時間帯、右折禁止なんだよ」
「きっと標識を見逃して気付いていないのよ」
「(前の車、注意喚起で)鳴らせばいいのに」
「クラクションでモールス信号して伝えられればいいのにね。『イマ、ウセツキンシデスヨ』って」
「できねー」
公道を走っていると、些細ではあるが「伝えたいこと」が生じる時がある。今回のように「今は右折禁止ですよ」とか、「トランク開いてますよ」とか。こういう会話はライトやハザードでは伝えきれない。ほんの「ひと言」でいいから伝えられると面白いのになと思う。近距離の通信だからなんとなくできそうな気もする。だが夫はこう指摘する。
「そんなことができたら罵詈雑言の方が多いかも」
そうか…。「オラどけゴルア」とか「おせえんだよ」とかだろうか。ああ(ため息)。殺伐とした世界が露骨に耳に入ってきたらなんだか怖い気もする。筆者はピカピカのペーパードライバーなので運転することはないのだが、トロさを荒っぽく批判されたら萎縮してしまうだろうな。
「でも、ちょっとしたナンパ(出会い)になるかも」
「ナンパに失敗した腹いせで事故というのもあり得るかもよ」
うう、そうか…。交差点で会話ができたらいいなと思うのだが、使い方やありかた次第だろうか。ただいつかは何らかの形でできるんじゃないかな、なんて思う。それがITS(Intelligent Transport Systems)につながるのかもしれないけど、どうだろう。