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デジタルとアナログの間を行ったり来たり

披露宴の間に現像を

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 先週友達が結婚式を挙げた。その裏方で筆者はあるお手伝いをした。そのことについてふと考えた。きっかけはこの相談からだった。

「写真が印刷できるプリンタ、持ってません?」

 聞くと、こうだ。数週間後の結婚式にて参加者全員の集合写真をデジカメで撮る。披露宴の間に現像して、招待客が帰る時に手渡したいというのだ。

花 そういえば、CMで似たものを見た。結婚式(あれは披露宴)で撮った写真をコンビニで現像し、客を見送りながら写真を渡していた。しかしながらそのCMのように新郎新婦がドレスのまま披露宴を抜け出してコンビニで現像するのは無理だ。いや、ちょっと見てみたい気もするが。

 それはともかく、彼女の要件は結婚式直後にデジカメ撮影した写真を2時間ほどの披露宴の間に参加者分プリントして招待客に手渡したいということだ。あいにく筆者は写真印刷できるプリンタは持ち合わせていない。また新郎新婦もこの時のためだけに写真用プリンタを新調するほどでもない。一時だけならデジカメ写真なら写真屋さんで印刷してもらうのがいいと思う。親切な写真屋さんだと補正もしてくれる。

「式場のそばにコンビニか写真屋さんはないかな?誰かそこまでデータを運んでもらえないかしら。……なんだったら、私がやりましょうか」

 そう提案すると、友達は感激していた。招待客になるほど大親友というわけでもなく、一緒にレッスンを受けるくらいの友達だ。式場もそう遠くないし、そのくらいならノープロブレムだ。ということで引き受けることになった。友達は結婚式1週間前に式場とその近所の写真屋さんの地図、印刷する枚数などのメモと経費をくれた。

 当日、招待客ではない筆者は目立たないように会場に潜り込んだ(つもりだったが)。周囲を観察すると結婚式場は恐ろしいほど手際よく、一日に何件もの式をこなすので感心してしまう。その速さと合理性はまるで工場のようだ。となると行き交う新郎新婦や招待客は「量産型コトブキ」か。

 式が終わると式場の担当者がデジカメごと渡してくれた。集合写真の前にメディアを入れ替えたらしく、デジカメには集合写真2枚しか入っていなかった。親切である。軽くプレビューを見ると……。

 暗い。がびーん。

 日没後に屋外で式を挙行すると聞いていたので覚悟はしていたが。そばに式場のカメラマンもいて「辺りが暗いからそのデジカメでは厳しいかも」と話していたそうだ。写真屋さんに露出補正してもらおうと目論み、会場を出る。

 写真屋さんに着くとすぐメディアを取り出して現像する写真を指定する。ついでに明るくしてもらい、まずは1枚だけ現像してもらう。見ると……。

 赤目だ。ぎゃふん。

Dscf1292s  というか「目からビーム!」だ。招待客の数人だけだが。だが、赤目をすべて修正するように依頼したら間に合わない。新婦はかわいく笑顔なのでよしとしよう。と、思いつつも。ああ。その場で修正できるようにパソコン持参すればよかった。かも。または赤目防止フラッシュできるデジカメを貸せばよかった。かも。気がつけよ、と自責。

 やや心残りがあったが、プロも同時に撮影したので後日美しい写真が届くことに期待し、枚数分を袋詰めして式場の係に手渡した。役目を果たし去ろうとしたら、引き出物をもらえてしまい、恐縮。帰宅後に友達から「暗くて心配でしたが、綺麗に撮れてて良かったです」とメールが届き、とりあえず安心した。ほっ。

 ところで。これってビジネスにできないだろうか。式場からデジカメデータを送信し、写真印刷のサイトが宅配便と協業して式場まで配達するとか。事前予約すればできそうだ。いや、それなら式場のオプションサービスであってもいいような。できそう。

 それにしても慶事の場をかいま見ることができたのはよかった。幸せをおすそ分けしてもらえたような気になる。

(写真は筆者が時間つぶしに式場近くで撮影したもの)

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