お財布忘れてもだいじょうぶ
ガラスの扉を開けると音楽が鳴る。小さいボトルのミネラルウォーターを手にした。そして右手にスイカカード(が隠して入れてあるパスケース)、左手にボトルを掲げて「スイカでお願いします」とキオスクの店員に声をかけた。
女性の店員は「スイカの自動販売機の使い方、わかる?」と優しく聞いてきた。私が首を横に振ると、ボトルを指さして「このバーコードをそこの緑の機械の下にあてると、スイカで精算できるのよ」と教えてくれた。おお。
新聞や雑誌をセルフで購入できることは知っていたが、飲物も同じようにできたとは。緑色した箱の下の方にバーコードをかざすとピッと金額が表示される。そしていつものようにスイカをタッチしてピピッと購入。完全にセルフだ。かっこいいー。
うーん。今日も暑い。ちゃんと水を飲まないと。ごくごく。
次に地下鉄に乗り換え、目的地の最寄り駅に着く。予想よりも早く着いてしまったので近所のコンビニで時間をつぶす。雑誌をぱらぱらとめくっていたら面白い記事を発見した。「これ、ほしいかも」と思い、レジに目を向ける。かばんに手を入れると・・・
財布がない。
………。あー……、またやっちゃった。心の中でひざをつく。
とっさに私は腕時計を見て「まあもうこんな時間」と驚いた顔をして、雑誌を棚に戻してそそくさと店を出る。年に1、2回くらいこういう日がある。それにしても、いまごろ気付くとは。
でも本当に時間だったので目的地へと移動した。PostgreSQLについてためになる話を聞いた後、帰りにJR駅構内の本屋でさきほどの雑誌をスイカでピピッと購入。よかった。
さらに明日のパンをスーパーで購入……おっと。レジの直前で気付いた。財布忘れていたのだった。ん。でもスイカビューカードにしたからもうVISAでだいじょうぶではないか。「切り替えてよかった」と数ヶ月前の自分に感謝しつつ、パンを無事に購入できた。よかった、よかった。
お財布を忘れてもパスケースとキーケースは玄関に置いているので忘れることがない。「これからはけっこう安心かも」と思いながら、この便利さに甘えて忘れる頻度が高くなりそうな気もしてきた。これはこれでやばいかも。