新入社員報告書添削:見積・実績ギャップの原因分析ツリー
新入社員が入社して二ヶ月少々過ぎましたね。技術系の会社ではまだ新入社員研修真っ盛りというところが多いことでしょう。私もその一環で客先の新入社員が書く週報の添削を請け負っています。情報がきちんと整理されて読者に伝わる報告書を新入社員が書けるようにするためには、やはり「書いたものを添削する」のが欠かせませんので。
今回は、そんな中で出てきたある話題から。
ある週報の一部にこんな感じの内容がありました。
今週の演習問題のすべては完了できなかった。原因としては、週初めに取り組む問題ごとに時間配分を決めていたがその配分が恣意的で、実際に行ってみるとその時間では終わらないことが多々あったためだ。
要するに「実際にやってみたら見積どおりには終わらなかった」という「見積・実績ギャップ」という問題ですが、ここで気になったのが「恣意的」という言葉です。
この言葉が使われるのは「自分に利益誘導したい」という動機で「現実を無視した見積を行う」ような場合が多く、今回の週報には該当しないと思われました。
そこで「見積と実績にギャップが出るのはどんな場合か?」を改めて考えてみると、こんなパターンがありそうです。
自分がやる仕事/作業についての見積ですから、「大きな仕事を担当しているように見せたい(そうすれば高く請求できる)」、そこで「現実よりも大きく見積もる」というのが「恣意的」で、これはA-2-1に該当します。
見積と実績にギャップが出る理由にはそれ以外にもさまざまなパターンがあります。それを整理したうえでそれぞれの特徴を一言で表すような「象徴的な言葉」を割り振るとたとえば考慮不足や経験不足、錯覚、恣意的、、、(以下略)となるわけですね。
新入社員が書く週報には、こんな感じでロジックを整理しないとうまく通じないものはとても多いのですが、その整理を新入社員自身が最初から自力でできるか? といえばできないのが当たり前で、やはり最初は誰かがお手本を示す必要があります。(上記の原因分析ツリーのようなものがその「お手本」です)。そこで私が「情報整理のお手本を示す」役を引き受けているわけです。
今回の「見積・実績ギャップの原因分析ツリー」は、内容自体はごくありふれた一般論でどの仕事にでも応用が効くパターンですので皆様の参考になれば幸いです。