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範囲と方向を「限定」したほうが印象が強くなる

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技術屋のためのドキュメント相談所・所長の開米です。

前号の続きです。

  (1)地球をとりまく環境問題
  (2)自然の循環機能と持続性の喪失

の2つのフレーズはいずれも前号の図でいうA群の情報をまとめて一言にしたものですが、より印象に残るのは(2)のほうです。それはなぜでしょうか。

その理由は2つあり、ひとつは

範囲を限定していること

もうひとつは

方向を限定していること

です。いずれにしても「限定」です。

「範囲」というのは、「地球をとりまく環境問題」の中でも、「自然の循環機能と持続性」について話題にしているということです。

そして「方向」というのは、「喪失」という文言が入っていることです。
ある領域が変化しつつあるときにはその「変化の方向」を明示するべきです。というのは、変化の方向を明示すると、その変化への対応の必要性をアピールできるからです。

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これはビジネスであれ行政であれ、政策に関わる提言や報告をするときには重要になりますね。

「何かが変化しているときは、その変化の方向を明示する」こと、単純なんですが意外におろそかにされていることがあります。「こうしましょう」と行動を訴えるときは、その背景にある「変化」を明示する必要のある場合が多いので、注意してみてください。

★ ★ ★

さて、次はC群の情報を少し簡略化することにしましょう。「日常生活や事業活動への影響ってこういうものがあるな・・・」と思いつくまま列挙した後、「で、今の話題に関係あるのはどれ?」と絞り込む(限定する)ほうがやはり印象が強くなります。これは農林水産省の環境報告書なので、それに関連するものに限定してみましょう。


→次回へ続く

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