コラボレーションについての6つの誤解
一週間以上前のものですが、かなり欧米人事系メディアで参照されています。
Six Common Misperceptions about Teamwork
チームワークについての6つの誤解
http://blogs.hbr.org/cs/2011/06/six_common_misperceptions_abou.html
チームワークとコラボレーションはどの組織にも欠かせないものですが、調査を行った際に、その有用性とともに、いくつかの誤解も明らかになったとのこと。
そこでチームワークについての6つの誤解が解説されています。
誤解#1 Harmony helps. / 人の和は重要だ。
実際は、
Quite the opposite, research shows. Conflict, when well managed and focused on a team's objectives, can generate more creative solutions than one sees in conflict-free groups.
調査によると、実は完全に逆。マネジメントが適切に行われており、チームの目標がフォーカスされたものになっていれば、意見の衝突は、それが無い場合と比べてよりクリエイティブな解決策を生み出す。
初期の調査においても、仲の良いオーケストラより、多少気難しい人の混ざったオーケストラのほうがよりよい演奏をしたそうです。
誤解#2 It's good to mix it up. / 新たな血を入れることは有益だ。
New members bring energy and fresh ideas to a team. Without them, members risk becoming complacent, inattentive to changes in the environment, and too forgiving of fellow members' misbehavior.
新たなメンバーはチームに新しいエネルギーと新鮮なアイデアを提供してくれる。それがなければメンバーは自己満足に陥る危険性や環境変化に適応できない可能性、さらにはメンバーの不正行為を諒解してしまうかもしれない。
至極最もな意見です。が、実際は、
The longer members stay together as an intact group, the better they do. As unreasonable as this may seem, the research evidence is unambiguous.
メンバーが長く一緒にいれば居るほど、その成果は高くなる。非合理的に思えるかもしれないが、調査結果は全くもって明白だ。
これはちょっと意外ですね。とはいえ#1にあるように、ただの仲良し集団ではいけない、と。
誤解#3 Bigger is better. / 大きいことはいいことだ。
人数が多いほどリソースも多いし、関係部署を多く巻き込んだほうが根回しが出来て成功のチャンスも高まりそう。でも、
Excessive size is one of the most common--and also one of the worst--impediments to effective collaboration.
必要以上の組織の肥大は、効果的な協力関係を築く上でよくある―そしてしばしば最悪の―妨害行為である。
ソーシャルローフィング(最近本やダイヤモンドオンラインでもよく語られるフリーライドですね)に陥りやすく、管理に手間と時間がかかると。
誤解#4 Face-to-face interaction is passé. / 顔を付き合わせたやり取りは時代遅れだ。
テクノロジーも進化してるし、距離が離れててもなんとかなりそうですが、
Teams working remotely are at a considerable disadvantage. There really are benefits to sizing up your teammates face-to-face.
遠隔でチームワークを機能させるのはかなり不利益が大きいだろう。チームメンバーが顔をそろえる形にチームを整えることは、本当に意味のあることだ。
多くの企業が、遠隔でチームをマネジメントするとしても、立ち上げ時、中間地点、完了時点のそれぞれで、きちんとメンバーを集結させることの重要性を認識しだしているようです。
誤解#5 It all depends on the leader. / 全てはリーダーによる。
二つのチームがあったとして、片方は出来がよく、もう片方が出来が悪かったときに、我々はよくチームリーダーの性格や行動、リーダーシップのスタイルにその理由を求めがちです。しかし、
The hands-on activities of group leaders do make a difference. But the most powerful thing a leader can do to foster effective collaboration is to create conditions that help members competently manage themselves.
グループリーダーが直接手を動かすことは成果に大きなインパクトがある。しかしリーダーが効果的なコラボレーションを生み出すために出来る最も強力なことは、チームメンバーがきちんと自分自身をマネジメントできるような場を作り出すことだ。
二番目に重要なのがチームをきちんと立ち上げること。そしてやっと三番目に、チームが動き出した後、教えたりコーチングしたりする中でチームを引っ張っていくという役割が来ると。
場作りが60%、立ち上げが30%、リアルタイムでのコーチングが10%だそうで、実際に通常我々が考えるのとは異なる意味合いでチームリーダーはチームに不可欠なようです。
本当に自立的な組織であれば、オルフェウスのようにリーダーのいない組織が成立するのでしょう。
誤解#6 Teamwork is magical. / チームワークは管理しがたい。
確かにマジックのようなもの、というか、何とか才能豊かな人を集めて、こと細かく指示だしするのが良い気もしますが、
It takes careful thought and no small about amount of preparation to stack the deck for success. The best leaders provide a clear statement of just what the team is to accomplish, and they make sure that the team has all the resources and supports it will need to succeed.
プロジェクトを成功させるには、慎重な考察と多大な事前準備が必要。最上のリーダーはシンプルに、チームが何を達成すべきかを明確に述べるとともに、成功するために必要なリソースや支援が十全に整えられていることを確約するのだ。
マジックだから放っておくのではなく、しっかりと足固めをすることが肝要と。
よく上から目線でチームがうまくいくよう政治工作をするリーダーもいますが、それはトラブルを生むだけ、と喝破しています。
個人的には#1、#2、#5が意外でした。皆さんはいかがだったでしょうか。
ご一読感謝!
#昨日より、東洋経済HRオンラインの連載記事、「息の詰まる職場・職場の閉塞感はどこからやってくるのか?」の第二弾、「就職氷河期世代の閉塞感」が掲載されています。
是非こちらもご一読いただければ幸いです。
東洋経済HRオンライン「息の詰まる職場・職場の閉塞感はどこからやってくるのか?」
第2回 「就職氷河期世代の閉塞感」