日本で初披露されたKORG monotronの解説ビデオで分かったこと
ブログエントリーへのコメントで教えてもらったのですが、DS-10などのガジェット系クラブイベントで知られる茶箱で秘密裏にKORG monotronが披露されたようです(Ustreamへのリンク)。
このたっぷり20分あるビデオの中で、monotronの企画担当(でいいんですよね?)であるKORGの坂巻さんが詳しい解説をしてくれています。それでわかったことがいくつか。
フィルター(VCF)はMS-10/20と同じ回路を使っており、カーブはさらに凶暴なものになっています。自己発振もできます。PEAK(レゾナンスのことをKORGはこう読んでいる)はカットオフフリーケンシーで設定した周波数の近辺を持ち上げる機能なんですが、自己発振というのはそこを持ち上げすぎて、鍵盤の位置とは無関係に音が出てしまうという現象。1970年後期のアナログシンセサイザーは各社特徴があったんですが、YAMAHAはぜったいに自己発振を許さず、KORGは凶暴な音が出ていました。
EG(エンベロープジェネレータ)はないため、できることに限りがあるように思えますが、LFOは打鍵毎にリセットされるようになっているため、フィルターとLFOが連動させ、LFOのフリーケンシーを低くしておくと、打鍵毎にフワン、フワンと、アタックとディケイ、サステインレベルをうまく調整したように聴こえます。
このあたりはKAOSSILATORのような発想ですね。さすがです。EGがなくてもかなり自由度が高い演奏が可能。
オーディオインプットネタも披露。DS-10の出力をmonotronに通して、VCF、PEAK、LFOをいじり、さらにリボンコントローラの変化でも音が変わるようです。たくさんのノブですばやい調整ができる分、KAOSS PAD-miniとはまた違う面白みがあるようです。
また、メーカーなので当然改造は推奨していないのですが、「アナログなので……」と言っていたので、マニアは改造の余地は十分にあると受け止めると思います。改造用に十分に使える低価格ですからね。