デジタル変革を推進するテクノロジの導入、IoTプラットフォーム導入が進む
企業はデジタル変革のための体制は整えているが、自社の将来像を描き推進する力が弱い
ガートナーは2023年11月10日、「国内企業のデジタル変革を推進するテクノロジの導入状況に関する調査結果」を発表しました。
ガートナーは2023年4月に、国内企業を対象にデジタルの推進に関わるテクノロジの導入状況を調査し、その結果、国内では、半数を超える企業や組織が、オンプレミスかクラウドかを問わず、モノのインターネツト (IoT) プラットフォームの評価/検証およびビジネス導入を行っているとの回答となっています。
ガートナーのアナリストは、
デジタル変革を推進するために重要なデジタル・ツイン、IoT、5G、AIなどのテクノロジの評価や採用は、2019年調査時と比べると徐々に拡大しています。また、経営陣の直下に推進部門を作るなどの体制も整えつつあります。企業や組織の未来を見据えた取り組みの推進に当たっては、テクノロジの実装が欠かせません
とコメントしています。
IoTプラットフォームは、デジタルを実現する中核的なテクノロジの1つであり、対象となる人やモノ、システムなどの現状をデータとして収集・分析し、次のアクションに向けた意思決定や提案を行う新たな仕掛けの基盤となります。
IoTプラットフォームに続いて回答の多かった5G、エッジ・コンピューティング、センシング、カメラ画像のAI/ML (機械学習) 分析などは、IoTプラットフォームと連携し、デジタルを推進する際に採用されることが多いテクノロジです。
ほかにも、省エネ化、サイバーセキュリティ対策、ロボットやドローン、ローカル5Gなど、今回の調査結果からは、企業や組織はさまざまなテクノロジに取り組んでいることが明らかになっています。
ガートナーのアナリストは、
デジタルの推進は、自社および業界の従来のビジネスモデルを大きく変革していく必要があります。この取り組みは自社の都合だけでは実行できないため、ビジネス導入に苦心するユーザー企業およびベンダーも多くみられます
(中略)
デジタル変革を推進するテクノロジ・イノベーションのリーダーは、既に取り組んでいる評価/検証や実装が次のステップで自社の未来にどう貢献するのかという、グランド・デザインを明確にし、顧客やパートナーの共感を得ることが重要です。また、経営陣や組織のリーダーは、進むべき方向を指し示し、短期的な成果だけでなく、中長期的な視点での自社にとっての有益性をしっかり把握し、骨太な推進体制を確立していく戦略とリーダーシップが必要です
とコメントしています。
出典:ガートナー 2023.11.10