「生成AI」が過度な期待のピーク期に 日本におけるデジタル・ワークプレース・イノベーションのハイプ・サイクル:2023年
ガートナージャパンは2023年8月28日、「日本におけるデジタル・ワークプレース・イノベーションのハイプ・サイクル:2023年」を発表しました。
ガートナーでは、デジタル・ワークプレースとは、いつでもどこでも柔軟に働き、テクノロジで仕事の質や生産性、俊敏性を高めるデジタルな仕事空間を指しています。
デジタル・ワークプレースは、単なるデジタル化とは異なり、人や組織の在り方も含めた企業の成長戦略の一環として実現されるとしています。
デジタル・ワークプレース・イノベーションに関するテクノロジやトレンドはさまざまな分野で重要と位置付けられています。
成熟するまでに5~10年を要するものもありますが、生成AI、リアルタイム音声翻訳サービス、日常型AI、DEX (デジタル従業員エクスペリエンス) ツールや空間コンピューティングなど、新規に登場して急速に浸透することで2~5年で成熟する、と考えられるテクノロジも多くあり、今後、デジタル・ワークプレース変革の動きに合わせて、こうしたテクノロジやトレンドの重要性が認識され、その進化も加速すると予測しています。
「過度な期待のピーク期(Peak of Inflated Expectations)」には、
ビジネス・テクノロジスト、生成AI、DEM、デジタル・アドプション・プラットフォーム、音声認識自動議事録作成ツール、ビジュアル・コラボレーション・アプリケーションなどが入っています。
「幻滅期(Trough of Disillusionment)」に向かっているのは、
スマート・ワークスペース、リアルタイム音声翻訳サービス、従業員の声ソリューション、仮想オフィス、没入型ワークスペース、人間中心のデザイン、ワークスタイル・アナリティクス、MR、リモート・エキスパート、ガイダンスなどが入っています。
一方、「黎明期(Innovation Trigger)」にあるのが、
DEXつ~つ、五感センサ、アジャイル・ラーニング、スマート・エフェクト、屋内自律走行ドローン、日常型AIなどが入っています。
出典:ガートナージャパン 日本におけるデジタル・ワークプレース・イノベーションのハイプ・サイクル:2023年 2023.8.28
ガートナーのアナリストは、
多くの企業では、日常的なハイブリッド・ワークを受け入れつつ、さらに進んだ未来の働き方を再考する機会が到来しています。企業は、今後のデジタル・ワークプレース戦略の中で、柔軟なワーク・スタイルを実現し、革新的なテクノロジを取り入れながら、従業員エクスペリエンスを向上するソリューションに焦点を当て、ロードマップを作成する必要があります
リアルとバーチャルは今後さらに融合し、フルデジタルな世界となるため、ワークプレースはリアルとバーチャルの別なく、従業員がより大事にされ、元気になり、活躍できる環境を構築していくことが重要になります。そのため、デジタル・ワークプレース環境においては、テクノロジによるワークプレースの近代化に加え、人や組織、新たな働き方、デジタル・トランスフォーメーション (DX) の取り組みにこれまで以上にフォーカスする必要性が増しています
とコメントしています。