オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

クラウドサービスへの新たな接続需要の急増などにより国内WAN市場は拡大

»

調査会社のIDC Japanは2019年4月15日、通信事業者が法人向けに提供するWAN(Wide-Area Network、広域ネットワーク)サービスの国内市場シェアと市場予測を発表しました。

スクリーンショット 2019-04-16 9.46.40.png

2018年の国内WANサービス市場は、前年比成長率6.6%、市場規模5,954億円となり、企業の拠点間などを接続するWANサービスはすでに多くの企業に普及していますが、クラウドサービスへの新たな接続需要の急増などによって市場は拡大しています。

国内WANサービス市場では、NTTコミュニケーションズが約3割のシェアで首位を獲得しています。

国内WANサービス市場は、大手5社で市場の8割以上のシェアを占める寡占市場となっています。WANサービスのコモディティ化とともに通信事業者間の競争はますます激しくなっており、最大シェア(28.7%)を持つNTTコミュニケーションズは、先進技術への積極的な取り組み、グローバルビジネスの積極展開、WANサービスとマネージドサービス、セキュリティサービスなどのワンストップ提供などによる差別化を図ることで市場シェアトップを維持しています。これをKDDI(市場シェア18.0%)、ソフトバンク(同14.9%)が積極攻勢で追い上げ、NTT西日本(同12.2%)、NTT東日本(同10.4%)は地域市場で高い信頼を獲得しています。

今後の企業WANは、クラウドの利用拡大やデジタル変革への取り組みによって複雑化し、ニーズが多様化していくと予測されます。また、SD-WAN(Software Defined-Network)などのネットワーク仮想化技術や5Gが企業WANに新しいアーキテクチャをもたらすと予測しています。IDC Japanでは、通信事業者が今後、国内WANサービス市場でシェアを拡大するには、単純な回線販売から、SD-WANや5Gなどの新技術を活用し、企業のさまざまなニーズに対応可能なソリューション型のWANサービスを提供していくことの必要性を指摘しています。

今回の発表はIDCが発行した国内 WAN サービス市場シェア、 2018 年:複雑化する企業 WAN に対する新たなソリューション競争 および国内通信サービス市場予測、 2019 年~ 2023 年: DX における通信サービスの市場機会 にその詳細が報告されています。これらのレポートでは各々、国内WANサービスの国内市場シェア、国内通信サービスの市場予測を推計しています。

Comment(0)