“物言う株主”はなぜ「自社株買い」を強要するのか
“物言う株主”カール・アイカーンとの戦いに勝って、どうにかDell買収成立のめどが立ったマイケル・デル。今日は元気に新しいノートPCやらタブレットやらを発表しました。
きっと、アイカーンとかの大株主に「コンシューマー向けはもうだめだからさっさと利幅の薄いタブレットとかやめてエンタープライズに専念しなさい」と言われてたんだろうなぁ。それはそうかもしれないけど、デル自身はやっぱりクラウドでサービスがどうのこうのよりガジェットが好きなんじゃないかなぁ。
非公開企業なら好きにできるので、玉砕するかもしれないけど、悔いのないようにがんばってほしいです。
一方、アイカーンに目をつけられているAppleは大変です。
いつのまにかApple株を20億ドル分も持っているアイカーン。ティム・クックCEOとピーター・オッペンハイマーCFOを“心のこもったディナー”に招待して、もっと自社株買いせんかい、と「強く推奨(脅迫じゃないのか)」したと自慢気にツイート。そのツイートのせいで株価が上がるというんだから世の中って変だなぁ。
ところで、私は投資の世界に非常識に疎いので、なんで自社株買いするとアイカーンのような株主にとってメリットになるのかよく分かりませんでした。そんな無知な人、あまりいないかもしれないですが、ここにメモ代わりに書いておきます。
Appleとその製品が大好きだから株を買って応援してる、という人以外の株主は、とにかく株価が上がって、売却益が出るか、配当金をいっぱいもらえればいいわけです。
Appleはいっぱい現金を保有していて、お金持ちのわりに配当金をあまりくれないことも、一部の株主の不満の種になっています。これはもちろん、けちだからじゃなくて、製品開発や企業買収のために使ってます。でもApple株をただの投資対象としてみている株主にとっては不満なんですよね(これについてもクックさんは配当の増額を約束しています)。
で、株価を上げる方ですが、いい製品を出し続けて評価を上げればいいのですが、もうひとつの手として、株の希少価値を上げるというのがあります。市場にある株を会社が買い戻して消却しちゃえば発行株式数が減るので、株価は(他に問題がなければ)上がるというわけです。
ええと、今日のAppleの株価は1株当たり489.56ドルなので、1500億ドルあれば3000万 3億株くらい買えるのかな。Bloombergによると、Appleの発行済総株式数は9億8500万株だそうなので、3%30%くらい? それでどのくらいの影響が出るのかよく分からないですが、とにかくそういうことです。ああ、算数が苦手なので頭痛くなってきた。。。【UPDATE】やっぱり桁を間違えていました。算数が苦手ならちゃんと計算しなさい、と。ごめんなさいごめんなさい。そして、「ななし」さま、コメント欄でのご指摘ありがとうございました。