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海外記事、ブログ、記事にならない情報について、ITmedia エンタープライズ海外記事担当から一言

GoogleはGoogleドライブに置かれたファイルのライセンスを取得したことになります

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【追記4】この後、Googleの広報に確認してもう1本ブログを書きましたので、そちらも合わせてお読みいただきたく。

Googleのピチャイさんが「ネス湖の怪獣みたいに思われていたGoogleドライブをほんとに公開したよ」と今日発表しました。私はまだ使えないですけど。

で、使う前にもういっかい、3月に更新されたGoogleサービス横断の利用規約を読んでみましょう。ちょっと長いですが、「本サービス内のユーザーのコンテンツ」の2段落をまるごと転載します。

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本サービス内のユーザーのコンテンツ

本サービスの一部では、ユーザーがコンテンツを提供することができます。ユーザーは、そのコンテンツに対して保有する知的財産権を引き続き保持します。つまり、ユーザーのものは、そのままユーザーが所有します。

本サービスにユーザーがコンテンツをアップロードまたはその他の方法により提供すると、ユーザーは Google(および Google と協働する第三者)に対して、そのコンテンツについて、使用、ホスト、保存、複製、変更、派生物の作成(たとえば、Google が行う翻訳、変換、または、ユーザーのコンテンツが本サービスにおいてよりよく機能するような変更により生じる派生物などの作成)、(公衆)送信、出版、公演、上映、(公開)表示、および配布を行うための全世界的なライセンスを付与することになります。このライセンスでユーザーが付与する権利は、本サービスの運営、プロモーション、改善、および、新しいサービスの開発に目的が限定されます。このライセンスは、ユーザーが本サービス(たとえば、ユーザーが Google マップに追加したビジネス リスティング)の利用を停止した場合でも、有効に存続するものとします。本サービスの一部では、ユーザーがそのサービスに提供したコンテンツにアクセスし、それを削除する方法が提供されることがあります。さらに本サービスの一部には、そのサービスに提供されたコンテンツの Google による利用範囲を狭める規定または設定があります。本サービスに提供するコンテンツについて、このライセンスを Google に付与するのに必要な権利を保有していることを必ずご確認ください。
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はい、読みました。

Googleドライブは「本サービス」の1つです。Googleドライブにファイルを保存するということは、Googleに「私のファイルを使っていいです」と言ったことになります。

「本サービス」=「Google の製品およびサービス」なので、例えばサービスの1つであるGoogleドライブに保存したどこかのカフェで食べたおいしそうなケーキの写真を、やはりサービスの1つであるGoogleマップにGoogleが載せてもおっけー、なのかもしれません。

ユーザーが保存する写真の量といったら半端じゃないはずなので、例えばGoogle Gogglesの改良に使うかもしれません。

まあ、ないと思いますが、誰かがGoogleのサービスをすごく分かりやすく日本語で解説したドキュメントを保存していたら、いつのまにか各国語に翻訳されてヘルプの一部になってるかもしれません。

たぶん、そういうことをしてもいいという許可をGoogleに与えることになるんじゃないかなと、思います。

素人考えなので、間違えかもしれないですが。5Gバイト分のファイルを預けるのであれば、一応、使い始める前に読んでおいた方がいいかなと。

ついでに、Dropboxの利用規約はこちら、MicrosoftのWindows Liveの使用条件はこちらです(4月27日、コメント欄でのmayuki様のご指摘でリンク先をWindowsの利用規約からWindows Liveの使用条件に修正)。(多分両方ともログインが必要だと思います。)いずれも基本、「ファイルはあなたのものです」っぽいです。【追記2】すみません、コメント欄でatsushienoさんが指摘してくださっているように、DropboxとWindows Liveにも同じような記述がありました。ついでに言うと、Facebookにも同じような記述があります。投稿が長くなってしまいますが、それぞれの利用規約の該当部分も転載します。それでこの部分の誤解による失敗をなかったことにはできませんが。

Dropboxのサービス利用規約
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お客様は本サービスを利用することにより、Dropbox に提出した情報、ファイル、およびフォルダ (総称して「お客様の素材」) を当社に提供することになります。お客様は、お客様の素材に対する完全な所有権を保持します。当社はお客様の素材に対する所有権を一切主張しません。本利用規約は、以下で説明するように、本サービスを遂行するために必要な限定的な権利を除き、お客様の素材の権利または知的財産権を当社に付与するものではありません。
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Microsoftの使用条件(Windowsの包括的な利用規約になっていましたがWindows Liveの使用条件に修正しました)
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第 5 条 お客様のコンテンツ

当社がお客様にライセンス付与したマテリアルを除き、当社は、本サービスに関連してお客様が提供したコンテンツの所有権を主張しません。お客様のコンテンツは、あくまでもお客様のものです。また、本サービスにおいてお客様または他のユーザーが公開するコンテンツを、マイクロソフトが制御、検証、または承認することもありません。

お客様は、お客様のコンテンツにアクセスできるユーザーを制御できます。お客様が本サービスの公開領域、またはお客様により選ばれた他のユーザーがアクセスできる共有領域でコンテンツを共有した場合、かかるコンテンツを共有する他のユーザーがコンテンツを使用することを承認するものとします。本サービスにおいて他のユーザーにコンテンツへのアクセスを許可した場合、それらのユーザーに対し、本サービスおよびその他のマイクロソフト製品およびサービスに関連する限り、コンテンツを使用、複写、頒布、表示、転送、一般に公開できる自由かつ無制限の許可を与えることになります。他のユーザーにこのような権利を付与しない場合は、本サービスを使用してコンテンツを共有しないでください。

本サービスの提供に必要な場合にのみ、以下の目的で、マイクロソフトは本サービスに投稿されたコンテンツの使用、改変、翻案、複製、頒布、および表示が必要となる場合があることをお客様は了解し、承認するものとします。
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Facebookの利用規約
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コンテンツと情報の共有

ユーザーがFacebookで投稿したコンテンツおよび情報は、すべてそのユーザーが所有するものであり、プライバシー設定およびアプリケーション設定を使用して、どのように共有するかを管理することができます。以下に詳細を示します。
1.写真や動画など、知的所有権で保護されるコンテンツ(以下「IPコンテンツ」)について、ユーザーは弊社に次の許可を与えるものとします(このコンテンツには各ユーザーのプライバシー設定およびアプリケーション設定が適用されます)。Facebookで、またはFacebookに関連して投稿したIPコンテンツを使用する、非限定的、譲渡可能、サブライセンス可能、使用料なしの、全世界を対象としたライセンス(以下「IPライセンス」)を弊社に付与します。このIPライセンスは、コンテンツが他の人と共有され、その人がそのコンテンツを削除していない場合を除き、ユーザーがIPコンテンツまたはアカウントを削除したときに失効します。
2.IPコンテンツを削除した場合、コンピュータでごみ箱を空にするのと同じようなしくみで削除されます。ただし、妥当な期間、削除したコンテンツがバックアップコピーに残る(他の人は見ることができない)ことを理解するものとします。
3.アプリケーションを使用した場合、あなたのコンテンツおよび情報はアプリケーションと共有されます。アプリケーションはあなたのプライバシー設定を尊重するよう求められており、共有した情報をアプリケーションがどのように使用し、保管し、譲渡するかは、そのアプリケーションとあなたとの合意によって決まります。(プラットフォームについて詳しくは、[プライバシーポリシーおよびプラットフォームについてのページをご覧ください)。
4.「すべてのユーザー」の設定を使用してコンテンツまたは情報を公開するということは、Facebookの外部のユーザーを含む、あらゆる人がその情報にアクセスして使用でき、投稿したユーザーの名前やプロフィール写真などと関連付けることが可能だということを意味します。
5.弊社はFacebookに関するご意見・ご提案を常に歓迎しますが、ユーザーは弊社がそれらを使用するにあたり、ユーザーに報酬を支払う義務がない(同様に、ユーザーは弊社に意見や提案を提供する義務がない)ことを理解するものとします。
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米国では既に、この規約はどうよ、という話でもりあがっています。そのうちGoogleから何らかの説明があるかなぁと思います。

【追記1】投稿して一夜明けたら思いの外反響があってびびっています。言いたかったのは、便利なサービスだけど、利用規約を読んで、いろんな可能性を納得した上で使った方がいいんじゃないか、ということなんです。私は納得した上で、Googleドライブ使います(既にGoogleドキュメント使ってるし)。昨夜Googleから「ようこそ」メールが届きました。

【追記3】Googleジャパンの広報に取材した結果をまとめたものを、別エントリにしました。

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