1日でファンが13万人増加?13歳の美少女が運営するFacebookページとは?
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わずか1日でFacebookページのファンが13万人も増えたページがあると聞いたら、Facebookページを運用されている方は思わず「嫉妬」してしまうでしょうか?
でも、それをやってのけたのが、なんと13歳の美少女だったと聞いたならば、逆に全力で「応援」したくなってしまうでしょうか?
思わず耳を疑いたくなるような話かもしれませんが、ここブラジルで、社会のみんなが思わず応援したくなった、13歳美少女の運営するFacebookページ「Diário de Classe(=クラスの日記)」をご紹介させて頂きます。
▼Facebookページ Diário de Classe
http://www.facebook.com/DiariodeClasseSC
■ブラジルの公立学校の「真実」を伝えるFacebookページ
「Diário de Classe(=クラスの日記)」とは、運営者である13歳のイザドラちゃんが通うブラジル南部にあるフロリアノポリス市の公立学校に対する不満を綴ったページです。いや、正確には、本人の言葉を引用すると「公立学校の真実」を伝えるためのページです。(ページの紹介欄では「不満」という単語は使われていないので)具体的な投稿内容を見ていくと、
・ドアノブのない女子トイレのドアの写真
・むき出しになった配線ケーブルの写真
・割れた窓ガラスの写真
・壊れた便器のフタの写真
・壊れた机の写真
・授業放棄をする数学の先生を撮影したビデオ
・etc...
などなど、少女が通う公立学校の問題点が、写真や動画付きで投稿されています。
▼Facebookページに投稿されている写真(の一部)
以前に、ブラジルのクレームが集まる「クレームを介した企業と消費者のCRMプラットフォーム」的なサイトであるReclameAQUIを下記の記事でご紹介しましたが、ReclameAQUIが「企業へのクレーム」であるのに対して、このFacebookページは「学校へのクレーム」であり、発想としては近いものがありますね。
※参考:思わず一目惚れ!ブラジルの一押しネット企業はこれだ!(ReclameAQUIについて)
■設立から1.5ヶ月、わずか1日で13万人の新規ファンを獲得
そんな「ブラジルの公立学校の真実」を日々投稿するページ。設立は先月7月11日。まだ出来て1.5ヶ月のできたてホヤホヤ。 7月はブラジルでは冬休みであり、この休み期間中に作成したのだとか。その後、ファン数も低空飛行を続けてきたものの、一昨日27日(月)に現地メディアに取り上げられたことをキッカケに、わずか1日あまりで一気に約13万人のファンが増えました。
具体的な数値ですが、あちこちのニュースやコメントからかき集めた情報によると、
27(月) 14h : 2,388人
27(月) 18h : 9,142人
27(月) "夜" : 20,199人
28(火) "朝" : 51,000人
28(火) "昼" : 87,179人
28(火) "夜" : 139,000人
という推移であった模様です。27(月)の夜から丸1日で一気に約13万人が増えていることが分かります。
▼本記事執筆時点での「いいね!」の数と、急上昇する前日(26日)までの推移
※26日週の新規いいね!が1,426人。26日までは低空飛行で「そこまで大した事はないFacebookページ」であった事が分かります。
■立ち上げたのは恥ずかしがりやのイザドラちゃん(13歳)
学校への不満、いや、学校の「真実」を投稿するためのFacebookページを立ち上げるなんて、一体どんなクソガキだと思う方もいらっしゃるかもしれません。それがビックリ。写真にあるようになんともかわいらしい女の子なのです。
▼Facebookページを立ち上げたイザドラちゃん(13歳)
学校の成績は「平均以上」の水準で、母親によると「とても恥ずかしがりやの性格。でも、質問や批判は多い子でしたね。」とのこと。まぁその「素質」は以前から持っていたようですね。
で、気になるFacebookページ立ち上げのキッカケはというと、24歳でエンジニアのお姉さんの「助言」があったようです。
このお姉さんが「学校の給食がひどい」と話題になった、スコットランドの9歳の少女のblogを、この少女に紹介したのがキッカケだそうです。(※このスコットランドのblogに関する情報はこちらをご覧ください)
その話を聞いたイザドラちゃんは、Facebookで同じ事を実現する事を決意。
こういった投稿をしたいと家族に話した際、母親は「学校でいじめに合う可能性もあるわよ、それでもやりたいの?」と諭したそうですが、そんな親の懸念もなんのその。それを覚悟の上で「やる」と自分自身で決めたとのこと。なんとも意志の強い少女です。
■友達・先生・学校職員からのいじめ、そして脅迫も
当初は冬休み中であったこともあり温和に進んだものの、8月に入っていざ学校に登校すると、みんながFacebookページの存在を知っていたとのこと。そして、お母さんの予想が的中。友達、先生、学校職員から「いじめ」のような仕打ちを受けてしまう事に。「友達は私の事を"あの子は学校に嫌がらせをしたいんだ"と思っているの。学校の外、特にネット上だと、みんな賛同してくれるくせに、いざ学校の中に入るとみんな向こう側に回っちゃうの。結局私はひとりで投稿し続けているわ。」
両親は学校から2回呼び出され「娘さんにあのページを削除させなさい。さもないと・・・」と半ば脅しに近い事もされたという(学校側はそれを否定しているが)。
両親は帰宅後に、改めてイザドラちゃんに警告をしたものの「私は公立学校の真実を伝えたいの!」と言ってやめなかった。本当に意志と正義感が強い少女ですね。
■熱い想いを起点にソーシャルメディアとマスメディアの相互作用で大爆発
「先生達はいつも『あのページを早く削除しなさい』と言うけど、私は削除する気はないの。だって誰にも迷惑はかけてないわ。私はただ、ちゃんとした教育を受けたいだけなの。それが私がこの日記を続ける唯一のモチベーションよ。」とは、現地メディアのインタビューに対してイザドラちゃんが語った話。そんなピュアな少女の熱い想いを取り上げた記事が27日(月)から出始めて、Facebook上で共感を呼びシェアされて、さらに他のメディアも同様の記事を書き、Facebookページのファンが増え、今度は「ファンが増えた」という記事が書かれ、またその記事がシェアされてさらにファンが増え・・・という一種の巨大なムーブメントが起こりました。確認出来ただけでも国内のあらゆるネットメディアで、合計30以上の記事が流通していた模様です。
※参考3:現地メディアの記事例(リンク先は全てポルトガル語)
・G1
・iG
これらマスメディアでの取扱いに加えて、以前に下記の記事にも書きましたがブラジルではfacebookの拡散力が非常に強く、ソーシャルメディアとマスメディアの相互作用がうまくハマったとでも言いますか、個人的には妙な「一体感」に近いモノを感じました。実際、このFacebookページや各記事に寄せられているコメントも「素晴らしい!」「応援してるよ!」「君のやっている事は間違っていない!」など、とてもポジティブなエネルギーが渦巻いています。
■夢はジャーナリスト
「7年間ここで勉強してきたけど、全く改善が見られなかった(イザドラちゃん)」というものが、このFacebookページによる活動を開始してから「7月中に既に13カ所を修理した(教育委員会)」とのこと。 そしてこの影響は、きっと他校、他都市にまで波及するものと思われます。
1人の少女が確実に巨大なブラジル社会を動かしていることになりますね、Facebookによって。
「当初は100人くらいが見てくれればいいと思っていた」とも語ったイザドラちゃん。「将来はジャーナリストになりたい」とのこと。
正義感、ブレない強い意志、行動力。ぜひ、その能力を活かして良いジャーナリストになって欲しいと願うばかりです。
彼女が活躍する頃には「メディア」や「ジャーナリスト」のあり方も、きっと大きく変わっているのではないかと思いますが。
では。
Até mais!
※上記内のコメント個所は、砂塚の解釈による意訳を含んでいますので予めご了承ください
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