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アップルペイ版スイカは新サーバー型電子マネー

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  上意、上意であるぞ!!

 アップルペイ版スイカはアップルとJR東が共同開発した 一から作った全く新しいサービスである!!

 へへぇ ・・・・

 このくらい本気で開発された大きな出来事と言う訳ですね・・・^^

近藤勇の第一声は「御上意」池田屋事件

池田屋襲撃の第一声は「御上意」

<出所  京都新聞  >

 2016年7月ごろより様々な国内のテクニカルライターがiPhone7とフェリカ、アップルペイに関して色々な記事を書いていました。テッククランチなど米国のテクニカルライターの記事に比べて、技術説明は兎も角、はっきり申し上げてちょっと信じられない見方をされている(例えばJR東日本が携帯電話団体のGSMA標準にフェリカを押し込んだからiPhone7とフェリカとスイカプロジェクトが動き出したなど。実際は昨年秋には既に動き出していました。)のにいいかげん嫌気がさしていた筆者です。

しかし今回の林信行さんのお書きになったiTmediaのJR東日本インタビュー記事(アップルジャパン協力)はよくできています。

アップルペイ版スイカは「3社(NTTドコモ、アップル、JR東日本)が一から作った本格的なサーバー型電子マネーのようだ」と考えさせられる記事です。

■ パスモなど私鉄系でも直ぐに使えるイメージ

「3年前から始まった他の交通系ICカードとの相互利用を含む」=に拡大すると言った表現がありますのでスイカの提携先のパスモなどでも使えるようですね。少し先かもしれませんが早晩、広がります。

■ おサイフケータイとは全く別の新サービス

記事の中に「これは10年前の2006年に誕生し、現在では400万人近い利用者がいる携帯電話版Suicaの「モバイルSuica」とはまた別のサービスであり、Appleと東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)が協力して一から作った全く新しいサービスである。」とあります。これはお金(バリュー)がカードや携帯電話の中に置かれているモノ支配論理の方式と異なり、お金(バリュー)がサーバー側(クラウド側)に置かれるIoT標準のサーバー型電子マネーのサービスのスイカ版を作った事を意味します。

アップルと、JR東日本が協力して蛹(さなぎ、モノ支配論理のスイカ)が蝶(サービス支配論理のスイカ、サーバー型電子マネー)に変化し、IoT時代に対応したと考えられます。(当然、ムーアの法則がこのまま進めば2020年代にはNFCA/B型でもJR東日本の改札対応ができたかもしれませんが、今が潮時と判断したのでしょう)

個々のiPhoneやApple Watchにスイカ残型を紐つけて残高管理はJR東日本が責任を持つようですね。(JR東日本としてはここを慎重に行いたいので個々の残高(複数も可)を一台だけのデバイスに限定しています)残高管理にJR東日本がアップルの協力の下、責任を持つとなれば、これはWeb マネーなどau ウオレットレベルのサーバー型電子マネーと言うことになります。

■ 海外でも利用可能

フェリカ付きのアップルペイは海外での利用も可能と記事が訂正されています。と言うことはNFCA/B型用のエミュレーターが入っていると言うことでしょう。但し、スイカは海外進出しておらず、現在では使えないのでしょうが。

■ スイカは指紋認証不要、QUICPay・Idは指紋認証必要

さてここからは他の記事の話も交えて議論します。

スイカで使う場合には指紋認証が不要であり、クレジットカードやプリペイドカードの場合には利用時の指紋認証と共に「あなたがApple Payで設定したクレジットカードやプリペイドカードは、QUICPayまたはiDとして割り当てられるので、日本全国のお店で支払いに使うことができます。」(アップルペイの記述より)となっています。

スイカは指紋認証不要と言うことは「残高管理はJR東日本が責任を持つ」と言うことを意味します。これは大きいですね。

これから見れば日本版アップルペイは「NTTドコモがJR東日本と共にアップルを説得し、日本版アップルペイ=サーバー型電子マネーを共同開発した」と言うのは明らかです。

■ 為替取引や口座管理まで行くか、行かないか

既にアップルは米国でペイパルのVenmo型の個人間の送金(P2P送金)の特許申請をしており、早晩、LinePayレベルに進化するとみられています。スイカはここまで行くのでしょうか、海外の様にスイカに給与を振り込むところまで行くのでしょうか、スイカは米国のペイパルの様にいずれ全銀ネットに参加するのでしょうか、海外用のNFCA/B型スイカがでるのでしょうか、NTTドコモの協力の下、JR東日本がアップルが共同開発したアップルペイ版スイカの夢は果て無く、楽しみです。

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