GE産業インターネット、プラットフォームをオープン化、早晩、アップストア設立か・・
GEの葵の御紋は大きく復活し、勝ち組になりそうです・・・・産業インターネットのオープンイノベーションの波に乗って・・・
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葵の花にぃ吹く、時代の嵐ぃ・・・乱れてぇ騒ぐ京の空・・・誠の旗に集いつつ・・・
(やっぱり歌がいります・・^^ 実は大好きな新撰組・・下の御紋には新撰組の団旗のイメージがあるのですが・・・)
<出所:GE>
元々消費者インターネットでも自前主義からの脱却は目立っていましたが・・・
家電事業は北欧の企業に売却されました・・・・
<出所:GE>
でも産業インターネット分野ではもっと凄いことをやってたわけですね・・・・
GEのオープンプラットフォームのPredixはライバル企業の自前主義を破壊するでしょう・・・
<出所:GE、ITLeaders>
航空機産業ではGEはエンジンを作りますが、他の部品は他社が製作します・・・だから部品の予防保守の為のセンサー情報の分析には共通プラットフォームでの幅広い連合が必要です・・・
<出所 GE>
■ 生産財ビジネスのアンドロイドを目指す
IOTの生産財に関するサービスは産業インターネットと呼ばれています。そして米国政府は標準化などの為の産業インターネットコンソーシアムを設立しています。その中核企業のGEがオープンプラットフォームのPredixとData Lakeの外部提供(誰にでも希望者に配布、無料か有料かは不明)を発表しています。(2015年から実施)アンドロイドのようなオープンプラットフォームの上では、誰でも(どの企業でも)アプリ=サービスが開発できます。当然、次はアップストアの設立に向かうでしょう。GEの狙いは稼働するモノの管理=APM(Asset Performance Management=アセットパフォーマンス管理)とデータ分析の効率化にあります。特にデータ分析は従来のデータウエアハウスより2千倍スピードが速く、10倍コストが安いと発表されています。(1カ月かかる分析が20分で済みます)IOTのセンサー時代に備えてデータウエアハウス、情報系システムの再発明をおこなった訳です。そしてそのプラットフォームに誰でも参加できるようにし、連携して稼ぎます。(見事な産業版アップル戦略です)
消費者インターネットではオープンプラットフォームとしてアンドロイド、また自由にアプリ=サービスが開発できるプラットフォームとしてIOSなどがあります。産業インターネットではリナックスファウンデーションが無人ヘリ(ドローン)用のオープンプラットフォームを発表していますが、GEの動きは産業インターネット全般に及びます。アンドロイドなどに先んじてGE独自のオープンプラットフォームを普及させ、生産財分野や産業利用を抑えにかかりました。
■ 通信キャリア、半導体、ルーターを抑えた
注目すべきはGEがオープンプラットフォーム(PredixとData Lake)の組み手がインテルとシスコ(ルーターを抑えた)、AT&Tなど産業インターネットコンソーシアムの(幹事会員では(IBM以外の)全企業と手を組みました。(尚、産業インターネットコンソーシアムには富士通や日立製作所などの日本企業を含め85社が加盟)GEはGEソフトウエアを使ってソフトウエア企業にも変身する方向ですので当然、ワトソンを持ち、同じ志向のIBMとは利害が対立します。更にソフトバンクやベライゾン、ボーダフォンなど有力通信キャリアと提携しています。
■ 情報系システム=データウエアハウスの再発明
IBMのワトソンやSAPのHANAなどが注目されていますが、GEのData Lakeは、リアルタイムでのセンサー処理、データ分析と予測に特化したサービスです。やはり産業インターネットの視点からは、クイズのワトソンよりも実用的かもしれません。
■ 既に出ている成功事例
GEは医療機器と航空機(エンジン)の業界で産業インターネットを導入しています。そして2014年には約10億ドルを売り上げたと発表しています。マレーシアのエアーアジア(格安航空会社)は、GEの産業インターネットにより、年間で1千万ドルの燃料費削減に成功しています。(GEのFlight Efficiencyサービス)なるほどブラジルのゴルなど格安航空会社がGEのサービスに飛びつく訳が判ります。またドイツの風力発電企業.ONは285基の風力発電の発電量を4%増加させています。
■ 自前主義からの脱却と日本企業の行く末
こうしてGEはオープンプラットフォームの提供により2015年から、自前主義からの脱却(全ての製品を自社で揃える日本企業が得意な手法)を本格開始します。
これはアップルのビジネスモデル、経営手法にそっくりです。アップルは120万本のアプリ(ソフトウエアによるサービスのオープン化)とスマートハウスやヘルスケア、カープレイなどハードウエアのオープン連合で「リスク無く」ビジネスの幅を広げています。数が拡大するアップルストアはアクセサリーと呼ばれる他社製品を販売してリスク無く売り上げを上げます。その為、(もう勝ったと考えて)サムスンとの特許紛争は止めにしました。サムスンは自前主義からの脱却の危機とプラットフォームをグーグルに握られてしまった後遺症ででもがき苦しんでいます。同じことは日本の家電メーカーにも当てはまります。例えばシャープが自社のテレビと東芝の冷蔵庫を一緒に売るなんて常識では想像出来ません。(それがオープンイノベーション=集合知利用、脱自前主義です)
さて産業インターネットではGEがアンドロイドに相当する動き=(PredixとData Lake)提供を始め、自前主義からの脱却を図ります。例えばスマートシティの提案をインド政府にする際、電力網、交通渋滞、大気汚染対策など幅広いインフラの効率立ち上げのため、自社製品とプラットフォーム(PredixとData Lake)を同じくする他社製品をセットで提案できます。また納期もかなり早まります。こうなれば日本勢(日立、東芝、三菱電機)はどうするのでしょうか。シーメンスはどうするのでしょうか。また建機の市場を抑えるコマツやヤンマーはどうするのでしょうか?いよいよアップル流のオープンプラットホーム=集合知の活用が生産財市場を襲います。
日本メーカーにこんな手が打てるでしょうか?負ければ生産財市場も電子立国崩壊=家電崩壊の二の舞です。
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