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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

スマート革命とO2O、ヤフー!ジャパンのウルトラ集客対LINE@の対決にイオンのスマートストア実現が絡む時代

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<序文>

 2013418日に大手町の日経ホールで実施された、日経主催、ソフトバンクテレコム協賛の日経産業新聞フォーラム2013「新時代のクラウド戦略」に行ってきました。ソフトバンクテレコムのクラウドサービスへのアプローチも印象的でしたが、その中で印象的だったのは「イオンのO2O」の講演と「ヤフー!ジャパンによるウルトラ集客」の話でした。

 

7月の参議院選挙からインターネット選挙が解禁されることも併せて「ウルトラ集客」対「LINE@」の対決が盛り上がりそうです。

 

 

 

 

★★日経産業新聞フォーラム2013「新時代のクラウド戦略」
~競争優位を高めるクラウドとO2Oビジネスの活用

 

 

★★ ICTを駆使した新しいサービスの提供に向けて
イオングループとソフトバンクグループが協業O2OサービスとWi-Fiを活用した新しいショッピングのカタチを提案~

 

★★ LINE

 パソコンで申し込み、スマートフォンで店舗の割引クーポンを入手するウルトラ集客

ウルトラ集客

 

  <出所:ソフトバンクプレスリリース>

<ソフトバンクテレコムのクラウド戦略の特長>

 一言で言えば固定机や固定パソコンによる「固定した場所に拘るワークスタイル」からスマートフォンやタブレット(無論、iPhoneiPadです)による「移動型(・・ながら型=ノマッド型)のホワイトワークスタイル」へのシフトと言う提案でしょうか?これは面白いです。

 

2014年のマイクロソフトのWindowsXPのサポート打ち切りを意識してパソコンを捨て一挙にスマート革命に載った移動型のワークスタイルに変えましょうという提案です。直行直帰などスターバックスのようなところでも仕事をしようと言う移動型=ノマッド型ワークスタイルですね。

 

イオンディライトの事例が説明されていましたが、オフィス製品の代わりにグーグルアップスを活用し、会計など仕事で多大な入力を必要とする業務以外はスマートデバイスにシフトしましょうと言う提案です。

 

確かに社内の全てのケータイ電話をiPhoneに変更すれば「社会電話が無料化される」と言うのは中々凄いアプローチです。

 

こうすればパソコンとタブレットの差額が削減され、ケータイを含む社内の電話代は無料化されるなと大きなコスト削減が可能と言うシナリオです。

 

今後iPhoneiPadの仮想キーボードが充実すれば、パソコン無しでもかなりのことが出来る時代になるでしょう。

 

<ウルトラ集客と連動したイオンのO2Oは面白い!!>

 

 ヤフー!ジャパンがヤフーの会員を対象に2012年末から開始したウルトラ集客は大成功のようです。イオンやニッサンなど色々な企業の例が説明されていましたがどれも目標数字を数倍上回っていました。

 

これとソフトバンクテレコムが支援するイオンのスマートストアの組み合わせも面白いです。上記に「イオングループとソフトバンクグループが協業O2OサービスとWi-Fiを活用した新しいショッピングのカタチを提案~」のプレスリリースを載せておきましたが、6月からイオンではモールやショッピングセンターにWi-Fiスポットを順次設置し、ウルトラ集客などのO2Oと組み合わせてショッピングのスタイルを変革するそうです。スマートフォンのアプリで商品のバーコードを擦ると説明がポップアップする、音声で棚を探す、駐車場の車の位置を教える、二階で実施されている家電の特売通知を送るなど「スマートストア」の実現が日本でも始まっています。

ソフトバンクテレコムはこれを攻めの戦略と呼んでいます。ホワイトワークスタイルがコスト削減=守り型だったのに対して売り上げを増加させてICTに投資をと言う発想ですね。

これを見て筆者はショッピングのイベント化と言ったコンセプトを思い出しました。

 

引用

イオンとソフトバンクテレコムは、イオンモールをはじめとするイオンのショッピングセンター(SC)にWi-Fiスポットを6月より順次設置し、「AEON Wi-Fi(仮称)」のサービスをスタートします。

引用終わり

 

<ライン@との対決が面白い>

 一方ラインは物理的な友達と言う群れを背景とした店舗用のサービスライン@を開始して人気を博しています。クーポンを配って見せるだけで割引が受けられる為(見せる型)、人気です。またビッグデータなどはやらないと言っており、逆にシンプルさが売りと言えるでしょう。強みは仲間と言う群れの同調行動によるクーポンに対する反応の良さですね。スマートフォン中心のアプローチです。

 

一方ヤフーのウルトラ集客は個々に独立したヤフー会員が対象であり、パソコンとスマートフォンなどスマートデバイスの組み合わせが特徴です。またヤフー会員のライフログを活用してビッグデータによるデータ分析で攻めて来ます。クーポン券もラインのような「単なる見せる型」では無く、情報が確実にとれる「かざす型」です。狙いは従来からのワンツーワンマーケティングの洗練ですね。それとO2Oと連動したスマートストアを実現する動きです。(これはイオンの例が面白そうです)

 

全く異なるウルトラ集客とライン@のアプローチですが、筆者はこの対決は注目すべきだと思っています。また店舗にWiFiを設置してアプリと組み合わせるイオンのようなスマートストアは今後あらゆる店舗に広がります。インターネット選挙を経てウルトラ集客とライン@の両者はどういった進化を遂げるのでしょうか?

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