スマート革命と広告その2、アンドロイドにただ乗りするアマゾンのモバイル広告ネットワークがグーグルの広告ビジネスを脅かす訳!!
<序文>
アマゾンがキンドルファイアーを中心としたスマートデバイスの広告ネットワークを立ち上げ、対象をアンドロイド・デバイス全般に広げようとしています。アマゾンのアップストアからモバイル広告が表示されるアプリをダウンロードしてもらって生活者に使ってもらう方向です。
これは「グーグルの広告モデルに大変な脅威を与える」と言う見方が出ています。
その訳は一体、何故でしょうか?
引用
The e-commerce giant took a sizeable step toward that end on Monday in extending its mobile ad network to any Android app available through the Amazon Appstore.
引用終わり
★★Amazon Expands Its Mobile Ad Network
★★ Amazon's New Mobile Ad Network Is A Huge Threat To Google
★★ Amazon Launches An Ad Exchange To Rival Facebook And Google
★★Amazon, Advertising's Sleeping Giant, to Awaken in 2013
2013年、スマートデバイス上で広告の巨人が立ち上がるか!!?
<出所:adweek>
<グーグル検索に欠けているもの>
パソコンの広告であれ、スマートデバイスの広告であれ、グーグルは検索を主体とした広告を出してきました。スマートデバイスの場合にはアプリ内広告を提供しています。
しかしグーグルは生活者が日ごろどのような検索をしているかの「検索ライフログ」は持っていますが「買い物ライフログ」は持っていません。判りやすく申し上げればグーグルは、既に生活者が持っている赤い靴の広告を表示する無駄が発生します。これは広告主には受けません。
一方アマゾンは生活者の「買い物ライフログ」を持っています。
「買い物ライフログ」を基にした広告は確かに強力です。
<ソーシャルの欠如と類似した状況>
フェースブックが広告モデルに進出した時、フェースブックは「生活者の顔が見え」、「行動のライフログ」と共に社会関係資本(友達ネットワーク)を持っているのが強みと言われてきました。それはグーグル(グーグル+が立ち上がる前の頃のグーグル)に明らかに欠けている情報だとの指摘が多数ありました。その結果、フェースブックではワンツーワンマーケティングやソーシャルネットワークマーケティングが可能であり、グーグルではそれが出来ないと言われました。
アマゾンの広告進出はそれと類似した問題提起をグーグルに突きつけています。
<広告インサイダー取引の脅威>
フェースブックのアプローチもアマゾンのアプローチも広告主の視点からは、一種の広告インサイダー取引と言えましょう。株式取引の場合にはインサイダー取引は確実に儲かる為、禁止されていますが、広告のインサイダー取引は禁止されていません。従がってグーグルとの対比でアマゾン広告は、広告主には一定の魅力が有ります。
<アンドロイドのただ乗り戦略が勝つのか?>
グーグルはスマートデバイスの広告の未来を信じてアンドロイドOSを無料で配布してきました。一方アマゾンはキンドルファイアーでアンドロイドOSにただ乗りしているばかりか、一般生活者のアンドロイド・スマートフォンやタブレットにもアマゾンのアップストアからアプリを落とそうとしています。
一方グーグルは「オープン・ハンドセットアライアンス未加盟のアマゾン」に対しては何の制裁もできません。丁度、北朝鮮の核実験に対するように効果的な制裁をする有効な手段が全くなく、アンドロイドにただ乗りされる状況が起き始めています。
これは非常に大きなグーグルのピンチかもしれません。
この状況を前にして明らかにグーグルは怒っていると考えられます。
どんな手を打ってくるか見ものです。