スマート革命と新製品、2013年アップルの新製品予想は当たるか?、6月iPhone5S、9月途上国向け廉価版iPhone、ホリデーシーズン、iWatchとアッルテレビの登場
<序文>
一人一台のパソコン時代が終焉し、一人が七台のスマートデバイスを使いこなす、スマート革命(モノのインターネット)の時代が始まっています。そして米国の著名アナリストが2013年のアップルの製品発表スケジュールを予測しています。Piper Jaffrayのアナリストであるジーン・マンスター氏が有名テックブログに語ったシナリオです。
iPhone5Sは良いとしても途上国向け廉価版iPhoneやiWatchとアッルテレビの登場などが予測されています。
果たして予測は当たるでしょうか?
★★iPhone 5S expected to launch late June, says analyst
★★ Rumor: Apple building 4K Ultra HD television set for launch in 2013 or early 2014
★★ Apple to Target Emerging Markets with Low-Cost Phone to Launch in September at $199?
<出所:マックルーマー>
<9月途上国向けの廉価版iPhoneの登場>
2013年2月のバルセロナにおけるモバイルのイベントMWCでは、昨年まで目立っていたグーグルとマイクロソフトが抜け、タイゼンやファイアーフォックスOSなど脱アンドロイドのプラットフォームの話題が目立ちました。
同時に次の五年間で発展途上国において携帯電話を使い始めた約20億人を如何にインターネットに取り込むかと言う議論もなされています。
例えば1台30ドルのスマートフォンと言う議論も為されています。
またアップルに関して言えば、既にiPhoneの先進国上澄み層市場は飽和したと見られています。
そこでマンスター氏は、約200-250ドルの発展途上国向けの廉価版iPhoneを9月頃出すと見ています。
そうしなければアップルは売り上げと利益の成長が止まります。
<iWatchとアッルテレビ本格版>
マンスター氏はiWatchとアッルテレビの登場をホリデーシーズンと見ているようです。11月頃にまずiWatchが出てアッルテレビ本格版がそれに続くと言う見方です。但し、アップルテレビ(Itv)に関しては、パネルの需給関係が課題であり、韓国LGから調達するとか、マンスター氏に関係ない別の見方ではいきなり4K版を出すと言う見方も出ています。
マンスター氏はiWatchとアッルテレビ本格版も共に対して稼げないだろうと見ています。
二つの新製品をホリデーシーズンに持ってくると言うのはお祭り気分の中で売ろうと言う姿勢であり、納得できる事です。
<サービス支配論理を支える連合艦隊戦略の下、全て出さざるを得ないだろう>
株価が低迷しているアップルですが、稼ぐところはしっかり稼いでいます。しかし今後の成長領域を考えれば途上国向けの廉価版iPhoneは避けて通れません。それならば発展途上国の上手済み市場をさっさと抑えると言う戦略は判りやすいと思われます。
■ 新製品はアップルの魔法開発能力=イノベーション力を示す魔法の粉
-魔法もファンタシーもサービス支配論理の構成要素-
一方iWatchとアッルテレビ本格版は、タブレットやiPhoneほど稼げる商品ではなさそうです。しかしアップルの閉鎖的なスマートデバイスの連合艦隊の上にサービスの森(販売ショップ=ITunes、ロッカーサービスiCloudなど)を提供する戦略は、ウエアラブル領域のiWatchとテレビ領域のアッルテレビ本格版が無いとスマートデバイスの連合艦隊の魅力が崩れ落ちてしまいます。
またアップル製品全体の販売拡大の為には「新製品による魔法」「人々を感動させ、ワオ!!」と言わせるアップルの持つ魔法使いの能力を新製品で示す必要があります。ディズニーの要素が求められるシリコンバレーの魔法使いアップルにとっては、魔法もファンタシーもサービス支配論理の重要な構成要素ですから。
本日の日経新聞朝刊に載っていましたが日本マクドナルドの業績が何故さえないのかの説明の中でアップル出身の原田 泳幸社長は「最早、100円マックなどでは、消費者はワオ!!と驚いてくれない!!、いいね程度では駄目だ」と語っています。最早、マクドナルドは消費者を魅惑する魔法のテーマパークでは無いようです。(魔法が判りにくければ「仮想の要素とか心理的要素」と言い換えて読んで下さい)
ある意味、それと同じですね。アップルの場合にはCEOのテイム・クック氏が「ジョブズ氏のような魔法使いでは全く無い」と言う評価が定着しています。その結果、アップル製品全体の売り上げや株価に響いていると言う見方があります。そうなれば新製品でスタートレックで有名な「時空の歪み」を作り出すしかありません。
アベノミクスを見れば明らかですが明らかに消費=売り上げは心理的なムードで上下する面があります。そうなれば驚きや感動と言った魔法、ディズニーのようなファンタシーの提供がマーケティングを大きく左右します。
マーケティングの成功には現実離れした心理的要素が非常に重要です。そうですよね、大手の広告代理店の皆さん!!
そう考えればサービス支配論理を支える連合艦隊戦略の下、時期は多少前後するかもしれませんが、早晩、全てのデバイスを出さざるを得ないだろうと考えられます。
さてどうなるでしょうか? ワクワクして来ます。