スマート革命と飽き、フェースブックの成長ストップの原因はフェースブック疲れか、若者離れか!!?
<序文>
Pew Internet とAmerican Life Projectの調査結果は、フェースブック疲れの現象が広範囲に現れてきており、参加者の61%に及ぶと指摘しています。
(フェースブックを休む理由は、21%が忙しさ、10%興味を失った、10%が時間の無駄と感じたと答えています。)
参加者が物理的な友達や家族との社交を行っている限りは、フェースブックを完全に去ることは無いにしても、その頻度は確実に落ちてきているそうです。
またフェースブッ自身が作成したSEC(米国証券取引委員会)や投資家あての年次報告書(アニュアルレポート)を読んでいると、フェースブックはモバイル(スマートデバイス)対応と共にソーシャル面での深刻な問題が浮かび上がってきます。米国参加者の伸びは、2012年は四百万人とほぼ頭打ちでした。そしてフェースブック自体も若者離れのリスクを指摘しています。年次報告書には若者のエンゲージメントが落ちており、インスタグラムなどに流れていると書いています。
フェースブックに一体、何が起こっているのでしょうか?
引用(フェースブックの年次報告書より)
We believe that some of our users, particularly our younger users, are aware of and actively engaging with other products and services similar to, or as a substitute for, Facebook. For example, we believe that some of our users have reduced their engagement with Facebook in favor of increased engagement with other products and services such as Instagram.
引用終わり
★★Form 10-KAnnual Report
★★Study: Facebook fatigue -- it's real
★★ Facebook: Teens might be so over us
フェースブック疲れの秘密の調査結果
<出所:CNET>
無料電話とメッセージングと写真投稿のタンゴなどが新たに成長
ラインと同じく軽やかな自己表現が特徴
<出所:テッククランチ>
ラインそっくりなタンゴの使い方
<出所:タンゴ>
<俄(にわか)友達に飽きた人々>
米国の場合、フェースブックの基礎には物理的な知り合いや家族がおり、この物理的な人間関係がサービスを支えています。この点はツイッターと全く異なります。しかし日本のラインなどとあまり変わりません。これがフェースブックの米国における強さです。
しかしツイッターの影響などで、物理的な仲間や家族との日々の社交の上に「ネットの知り合い」を増やす方向をフェースブックは参加者に対して煽ってきました。その結果、俄か友達が増え、お互いが友達としての演技をする中、疲れがたまります。(ミクシィ疲れの秘密と同じです)
Pew Internet とAmerican Life Projectの調査結果はこの点を指摘しています。これに一定の飽き(毎日夕食の写真を見せられるのは飽きたなど)も加わって、上記のような調査結果になったのだと思われます。確かにこれはソーシャルメディアとしてはピンチです。
<スマート革命への対処とカジュアル表現のインスタグラム>
米国では日本より早くスマート革命(一人一台のパソコンから複数のスマートデバイスへの移行)が始まりました。その結果、インスタグラムやタンゴ、パスなどのカジュアルサービスが流行りました。一枚の写真をとってネットのコミュニティに挙げるだけで生活者の自己表現が出来、物語が語れる簡便さは米国の生活者におお受けしました。その日本版が写真の代わりにスタンプで自己表現するラインなどであったと考えられます。
フェースブックが一ドルの売り上げも出ていないインスタグラムを大金を支払って買ったのも、スマート革命時代のプラットフォーム変化に追随し、同時に新しいライフスタイルのトレンドであるカジュアル表現を取り入れたのも理解できるところです。またインスタグラムはフェースブックのモバイル広告の中心の一つに位置付けられています。
<フェースブックはカジュアルシフトを乗り切れるか?>
スマート革命時代のソーシャル=社交の為の自己表現の特徴は、ラインやインスタグラムに代表されるカジュアルシフトです。
参加者の伸びが米国で頭打ちになった現在、広告売り上げや通販売り上げが期待できる生活者層を確保するには、フェースブックは更にカジュアルシフトを加速するのかもしれません。スマート革命における広告売り上げの課題を一定克服したフェースブックに新たな課題が登場しました。