スマート革命とテレビ、天の時を待つグーグルテレビの姿勢(Dive into Media会議報告)!!
<序文>
AllthingsD主催のDive into Mediaと命名されたカンファレンスでグーグルのチーフビジネスオフィサーのニケッシュ・アローラ氏は、スマートテレビ(グーグルテレビ)の戦略を語っています。
「将来、広告の半分はインターネットにシフトする」(早くて5年から遅くて10年レンジ)
「その頃はインターネットテレビが将来、必須になる」
「その役割は地上波ではなくグーグルが担う」
これは2010年にグーグルテレビを発表した時の短期決戦姿勢とは全く異なります。
果たして天の時はグーグルに運を授けるのでしょうか?
★★Google’s Biz Chief: 50 Percent of Ads Will Go Online in the Next Five Years
★★ Google's cash machine awaits Internet-connected TVs
★★Google’s Biz Chief: 50 Percent of Ads Will Go Online in the Next Five Years
★★Yes, Intel Is Building a Web TV Service (A Box, Too)
グーグルのチーフビジネス担当役員のニケッシュ・アローラ氏
<出所:allthingsD>
既にコードカット(有料テレビはずし)が始まったと主張する伝統テレビ業界の
過激派、デイッシュネットワークのチャーリー・アーゲン会長
<出所:allthingsD>
インテルも2013年、スマートテレビ製造販売とストリーミングサービスに直接出ると
主張したインテルのエリック・ハガース氏
<出所:allthingsD>
<広告の半分がインターネットにシフト予測>
現在、グローバルベースでの広告売り上げは、約8,000億ドルあり、その内、インターネット広告の割合は1,000億ドル程度です。しかし5年から10年レンジで全体の50%に増加すると言うのがグーグルの予測です。
これはかなり大胆な予測です。フォレスターリサーチやeMarketerもこんな大胆な予測はしていません。
<進展するYouTubeとハリウッドの関係が広告売り上げを呼ぶ>
広告売り上げのインターネット移行を促進する為、グーグルテレビが支えるサービスとしてグーグルが力を入れているのがハリウッドからの直接的なコンテンツ調達です。channels initiativeなどでハリウッドに新たな作品を作ってもらっています。
そしてグーグルのニケッシュ・アローラ氏は、スマートテレビが爆発する環境が整った後、広告売り上げとスマートテレビの連動が起こり、グーグルは適度なシェアを占めるだろうと戦略見通しを述べています。
アローラ氏によれば広告の変わり目の鍵はスマートテレビが握っています。
スマートテレビは「今はあった方がいい状況だが、今後は必須の家電(三種の神器=must-have)に変わるだろうと述べています。
そして同時にスマートデバイスのマルチスクリーン戦略が重要とも述べています。
<アップル、インテル、ネットフリックス、アマゾンとの戦い>
スマートテレビ及びスマートデバイスを中心としたインターネットプロトコルのマルチスクリーンがテレビを吸収すると言う主張は、Dive into Media会議で非常に強調されている点です。デイッシュネットワーク(全米衛星テレビ2位)のチャールズ・アーゲン会長も「デイッシュは衛星テレビ企業を脱してインターネットプロトコルのワイアレス企業に変わる」「古い広告モデル依存のテレビ放送は変わらなければならない」と主張して広告飛ばしとロケーションフリーを推進するセットトップボックス型録画機、ホッパーを販売しています。
(テレビを全てインターネットに置き換えると言うデイッシュネットワークの主張は極めて過激です)
アップルテレビの登場が確実視され、インテルもインターネットCATVとスマートテレビ型セットトップボックスを2013年に出すとDive into Media会議で発表している中、同会議ではネットフリックスの将来が再評価され、追いつくのはアマゾン位だろうと言われています。
スマートテレビの戦いは2009年からの前哨戦は終焉し、2013年からはいよいよ本番が始まると言った見通しが正しいようです。