スマート革命と選挙、インターネット選挙が加速するか「クリエイティブ経済」の実現!!
<序文>
衆議院議員選挙がたけなわですが(12月16日投票)、インターネット選挙解禁への動きも盛り上がっています。公職選挙法の改正を目指すキャンペーンサイト「One Voice Campaign」が立ち上がり、活発に動いています。日経新聞によれば民主党、自民党、公明党、みんなの党が選挙公約に織り込み、維新の橋下さんも逮捕覚悟でインターネットを活用したキャンペーンを実施しています。
2009年の前回の衆院戦で民主党の鳩山さんはインターネット選挙解禁を解禁すると言っていましたが、結局、実現しませんでした。民主党の藤末健三議員や自民党の世耕弘成議員などの推進派にもっと頑張って欲しいと思っていた処でした。
さて米国ではオバマ大統領の再選にもフェースブックだけではなく、スマートデバイスのアプリも活用され、ビッグデータの分析が有効に働いたと報道されています。そしてその結果、「クリエイティブ経済(創造の経済)」とそれを支える「クリエイテイブ・クラス」が台頭し、21世紀の創造の経済時代を切り開いています。その代表がアップルやグーグル、電気自動車のテスラなどと言う訳です。
日本に何故故スティーブ・ジョブズ氏が登場しないのかという疑問は明らかに「クリエイティブ・クラス」の台頭の差であり、米国では社会を「クリエイティブ経済(創造の経済)」の方向に導く導火線はインターネット選挙であると言う見方も出ています。(「クリエイティブ・クラス」とはソフトウエア技術者、バイオなどの研究者、ベンチャー起業家、コンサルタント、金融や建築、自動車のようなメーカーなどの変革者の総体)
インターネット選挙を実現してソフトウエア技術者のような「クリエイティブ・クラス」が自由に活躍できる「創造の経済」の台頭をもっと促してほしいものです。
★★ 「僕は選挙後に逮捕されるかも」橋下・維新代表代行
★★ “ネット選挙”解禁を目指す「One Voice Campaign」
<日本の民主は惨敗予想、何故勝ったオバマ民主党?>
黒人オバマさんが台頭した2008年の大統領選挙と民主党が自民党の支配を打ち破った2009年の衆議院選挙は「共に変革を提唱」するなどある意味で非常に似ていました。しかし2012年の選挙では対照的な結果に終わりそうです。オバマ民主党は結局、圧勝し、一方日本の民主党は大敗が予測されています。
一体その差はどこにあるのでしょうか?
米国オバマ大統領は都市社会学者リチャード・フロリダ氏の理論=「クリエイティブ経済(創造の経済)」を重視しており、「クリエイティブ・クラス」に支えられて選挙を戦ってきました。だからオバマさんは伝統的な選挙手法と共にインターネット選挙を非常に重視しており2008年のインターネット選挙を重視したキャンペーンは、選挙の後で多くの企業のマーケティングに採用され、更なる活躍の場を「クリエイティブ・クラス」に提供しました。多くの企業がインターネットを活用した選挙運運動ならぬ、多様なフリーランスの人々に活躍の場を与えるクラウドソーシングやO2Oなどのビジネス革新を促したのです。
2012年の大統領選挙では「クリエイティブ・クラス」のトップ層ほどオバマ再選を支持しています。共和党のロムニーさんは、伝統的な建築や資源などの古いタイプの産業人の支持で追い上げたと言われています。(リチャード・フロリダ氏の記事参照)
オバマ政権は2012年の選挙でも述べていましたが、「米国人の多様性と誰もが持っている天賦の才」「組織の中で眠りこまされた潜在的可能性」を引き出して、国を革新し、経済を成長させ、雇用を促進するという政策視点です。
日本の民主党にはインターネット選挙が「クリエイティブ経済(創造の経済)」を促進すると言った視点が全く欠けています。筆者も何人かのインターネット派の民主党議員と話しましたが、「党内にネットの理解者はほとんどいない」と嘆かれていました。
こういった歴史観の差、大きな未来ビジョンの差(「クリエイティブ経済(創造の経済)」、「クリエイティブ・クラス」)が日本の民主党と米国民主党の差であったと考えられます。
インターネット選挙の実施はインターネットの活用の社会浸透、更にスマートデバイスなどスマート革命、ソフトウエアの発達によるバイオや新素材、また新しい産業を興す方向に社会変革を促進します。そして人の面での「組織に眠りこまされた潜在能力」の発揮を促進します。ベンチャー企業の開業率も向上すると考えられます。
★★ How the Creative Class Is Reshaping America's Electoral Map
★★ The Triumph Of The Creative Class
★★ Barack Obama And The 'Creative Class': Has He Tapped Into A New Voting Bloc?
リチャード・フロリダさんによるクリエーティンブ・クラスの2012年の選挙の分析
クリエーティブ・クラスの上位層ほどオバマ支持
<出所:アトランテイックシテイズ>
<インターネット選挙で21世紀に産業革命を!!>
クリス・アンダーソン氏の「MAKEWRS」に出てくる21世紀の産業革命、プロシューマーの台頭の背景にはリチャード・フロリダ氏の「クリエイティブ経済(創造の経済)」、「クリエイティブ・クラス」があります。
日本でもインターネット選挙を夏の参議院選挙までに是非、実現して、ハードウエアではなくソフトウエアがモノつくりの中核となる21世紀に産業革命が起こりやすい環境を作ってもらいたいです。ソフトウエアによる「モノ支配論理」から「サービス支配論理」への転換、アップルやグーグルの台頭が政治も変え始めている米国を追いかけましょう。