スマート革命が壊した初代ゲーミフィケーション、ソーシャルゲームのジンガとフェースブックの業務提携解消、蜜月の終わり!!
<序文>
最盛期にはフェースブックの売り上げの19%を提供したソーシャルゲームの雄であるジンガは、2012年11月、フェースブックとのアライアンス(業務提携)を解消し、その結果、株価が3ドルを切りるまでに下落しました。
ソーシャルゲームは次第にスマート機器上のゲームに市場を侵食され始めています。
嘗てソーシャルゲームのジンガとフェースブックはバッジや市長と言う言葉を流行らせたフォークスエアと共に「ゲーミフィケーション」の生みの親と言われていました。ビジネスなどをゲームに例えて動機づけをしようと言う発想であり、フェースブック上で多くの企業ページに活用されると共にビジネスへの応用も盛んになったコンセプトです。
フェースブック上では自動車のフォードなどが参加者を四人ずつ集めて、ゲーム発想でドライビング・パーティを作ることを促して、新型車の走行コンテストなどを主催していた例などが懐かしく思い出されます。まるでゲームで怪獣を倒すようなのりでした。これでフェースブックの広告型ビジネスモデルが立ち上がったと言われています。
★★ Zynga Shares Sink 12% After Renegotiated Partnership With Facebook Makes It Just A Regular Developer
★★ Zynga Loosens Its Deal With Facebook: No Longer Tied To Facebook Ad Units, Credits, Or Exclusivity
★★ Facebook and Zynga agree to new terms, create potential for official Facebook games
<出所:joystiq.com>
<ジンガの危機はフェースブックの危機>
そもそもフェースブックがビジネス面で成功した広告売り上げ=企業による広告出稿はジンガなどのソーシャルゲームがヒントになりました。ソーシャルゲーム企業がフリーミアムモデルで大量に参加者を集め、マイクロ取引で仮想の種や牛を売り、その一部を更なる参加者獲得の為の広告代としてフェースブックに還元しました。それを見た企業ページが、同様にフェースブックに大量の広告出稿をして参加者を集め、物理店舗に誘導するO2Oなどマーケティングを実施して成果をあげました。そしてその過程でゲームののりで物理店舗にチェックインするようにと促した訳です。フェースブックのマーケティングにソーシャルゲームが影響したゲーム発想があっという間にひろまりました。
と言うことはジンガの危機はフェースブックの売り上げ構造の基本に影響するリスクがあると考えられます。
<売り上げの19%をジンガに依存したフェースブック>
一時期、フェースブックはジンガに売り上げ全体の19%を依存し、その為、フェースブックが仮想通貨クレジットを導入し、各ソーシャルゲーム企業にその使用を強制した時には、両社は一時険悪になりました。そこで両社はアライアンス協定を締結して特別な関係に入りました。そして今回の発表ではフェースブックとジンガはアライアンス協定を破棄して普通の関係に戻りました。
2008年―10年頃のファームビレ( "FarmVille" to "CityVille")などの伸びが嘘のようです。
モバイルゲームが伸張し、パソコン+ブラウザー型のソーシャルゲームが次第に衰退すると言う創造的破壊=ゲームの再発明が続く中、ジンガとフェースブックのピンチは続きます。