数字が示すスマート革命の勝ち負け、英国BBCがサムスンなどメーカー製のスマートテレビではなくiPadだけをスマートテレビと呼んでいる訳
<序文>
スマート革命によりテレビなどの機器の再発明の時代を迎え、色々な面白い現象が世界中で起こっています。そのひとつが英国BBC放送の見逃し放送の視聴です。欧州のスマートテレビ標準であるHbbTVやYouViewなどの開発のきっかけに英国BBCの見逃し放送であるiPalyerの存在があります。
無料で見逃し放送を提供するBBCのサービスの在り方は瞬く間に欧州に広がりました。
さてBBCはロンドンのアップスワールドに於いて2012年上半期の一ヶ月平均のアクセス数(見逃し放送視聴数)を発表しています。それによれば約600種類のスマートテレビの合計の四倍ものアクセス数をアップルのiPadが単独で記録しています。iPadの各家庭への浸透率はわずか11%です。そして2011年にはiPadからの視聴が580%成長しました。
だからBBCにとっては「スマートテレビはiPadだ!!」と呼んでいる訳です。
英国ではスマートテレビは育たないで消えていくのでしょうか?
★ ★ Apple iPad generates 4x the iPlayer requests of 400+ CE devices
★★What is wrong with connected TV, by the BBC
引用
“We have stopped calling the iPad a tablet and started calling it a small TV
引用終わり
<出所:ビデオネット>
<ipadの魅力と冴えない既存のスマートテレビ>
さてBBC放送のダニエル・ダンカー氏の発表では、2012年上半期の機器別の月間平均アクセス数は以下のとおりです。
1、 パソコンから 76.3百万回
2、 有料テレビのセットトップボックスから 26.5百万回
3、スマートフォンから 12.7百万回
3、 タブレット(iPad)から 11.5百万回
4、 ゲーム機から 9.6百万回
5、 スマートテレビから 2.5百万回
スマートテレビは録画器を含む約400種類全体での数字です。それでも一年前の月平均百万アクセスから現在では3百万アクセスへと大幅に伸びています。
また米国と同様にゲーム機によるアクセスがスマートテレビを上回っています。
BBCが「iPadをスマートテレビと内部で呼んでいる」のは良くわかります。「600種類の色々なテレビ機器のために苦労してアプリを作ったのになんだ、これは!!」と言いたいのでしょう。
BBCは既存のスマートテレビからの視聴が伸びない理由を「セットアップが大変。」「その後の番組発見などの操作性が駄目」と言っています。iPadはこの点が優れています。
上記の結果から色々なことが読み取れます。まず既存のスマートテレビはゲーム機にすらかなわない点が上げられます。なるほどアップルのスマートテレビ本体の登場が神話になるのも良くわかります。既存のスマートテレビが十分な顧客を獲得出来てない、満足させていないと言う事でしょう。サムスンもソニーもこの点で失敗していると言うことです。
操作性の改善はアップルの十八番であり、最も得意とする処です。
幻のアップルテレビが恐れられる訳です。
第二に家庭内で視聴するにせよ、外で視聴するにせよiPadが二台目のテレビに育ったことは確かです。