スマートフォン、タブレット、コネクトテレビへと広がるユビキタス戦争が支えるアップ経済時代はプログラマーの副業時代か?
<序論>
クラウドコンピューティングが早くも第二ステージに入り始めています。確かにオフィス製品やメールのようなコモデティ・アップス、更に一部基幹系アップスはインターネットの彼方のクラウドと言う雲の上に引越しを始めました。一時はフェースブック上のソーシャルゲームのようなサーバーアップスの時代が来たかと思われました。
しかし代わってスチーブ・ジョブス氏が開始したiPhone型のスマートフォンから、アップスがクライアント端末上にころころ転がっている新しい流れ(リッチクライアントの復活)=アップ経済が始まっています。アップ経済はサーバーアップや仮想商品、仮想ギフトも含みますが、ジョブス氏のせいで本格復活しようとしているリッチクライアントの世界に焦点を当てて考えてみたいと思います。
またスマートフォンにおけるアップスをクライアント側に置くリッチクライアントの流れは、タブレット、ネットブック、更にコネクトテレビに広がり、カーナビも巻き込まれ、ユビキタスネットワークの時代が現実となり、第二次世界大戦のような多くの戦線で同時に戦うユビキタス戦争が実際に始まると考えられます。同様の考えはテッククランチでも言われ始めています。
もっともアップスと言っても無料や100円から数千円と言ったマイクロ取引と呼ばれる軽いアップスであり、プロの作る基幹系のアップスやオフィス製品のようなコモデティアップスはクラウド雲の彼方のサーバー上に展開されますから、クラウドコンピューティングが早くも第二ステージと考えられます。
これはある意味でセンスの良いソーシャルゲームのような感覚の素人アップスと考えることが出来ます。
★★ クラウド時代に新しい動き、台湾のASUS(アスースコンピューター)がネットブックのアップストア開設へ
http://www.socialnetworking.jp/archives/2010/06/asus.html
<ユビキタス戦争はアップスの領域を無限に広げる>
電話がスマートフォンとして電話を越え更にタブレットへ進み、それを真似して世界中のテレビ事業者やメーカー、キャリアーなどが「アップスで稼ぐ」(フランスTF1、英国ITV、米国ベライゾン、韓国サムソン、日本のソニーなどなど)と叫んでコネクトテレビに進出しています。そしてグーグルとソニーが組んでアンドロイドテレビへと進み、アプルがiPhoneベースのアプルテレビを準備していると噂される中、オープンプラットフォーム=標準化の問題が進み始め、ユビキタスプラットフォームを又に駆けて「アップスで稼ぐ」時代が現実味を帯びてきました。もっとも独仏などはHbbTVと言った独自のオープンソースを作り上げている為、複数の標準が共存する時代でもありますが。
そうは言ってもITベンチャー企業にとっては大変なビジネスチャンス=疾風怒濤の時代が来たようです。雲の彼方のサーバーの世話は大手に任せて個人事業主と変わらない一匹狼のITベンチャー企業は「アップスで稼ぐ」と言うアプローチは「アプルのiPhoneとグーグルのアンドロイドが引き起こしたユビキタス戦争の戦線が広がるほど」凄く輝いて見えます。
グーグルのアンドロイドテレビを見るまでも無く、コネクトテレビなどほんとに凄いですね。アンドロイドOSのテレビの側(テレビ+セットトップボッックス)に電波とインターネットコンテンツをマッシュアップする無数のアップスが今後開発されると共にスマートフォンやタブレット、パソコンがリモコンに化けますから、こっちの側にも無数のアップスが開発されるでしょう。それもメーカーはプラットフォームしか提供しませんから、第三者によってアップス開発は殆ど行われます。
iPadをリモコンとして液晶テレビを操作し、テレビドラマの「24」とブログに書かれた前回の粗筋をオンデマンドで液晶テレビ上で見ながら、iPad上ではフェースブックやツイッターで会話するというソーシャル視聴がイメージできます。(昔ブルートウスで騒がれたリモコンの役がスマートフォンでもネットブックでも同じ事です。)
米国では2010年に最高で16億ドル程度の市場が出来ると言う見方があります。
<アップスはサラリーマン・プログラマーの副業のチャンス!!>
今回リッチクライアントとしてのスマートフォン、コネクトテレビ、タブレット、恐らくカーナビ、ネットブックなどに「転がるアップス」はとっても軽い、値段が安いがちょとしたアイデア商品です。
これはマイクロ取引と呼ばれる軽いアップスであるため、米国のTEDの議論では、貧しいアフリカの国々にIT教育を実施してマイクロ取引を成功させれば、「彼らは一本売れれば1日食事が出来るとか学校に行ける」と言った議論と動きがあります。
また日経新聞などにはフィンランドの学生がアップスで1千万円儲けたと言う記事が出始めています。また過去、仮想空間のセカンドライフでもオセロのような簡単なゲームのアップスでサラリーマンプログラマーがお小使い稼ぎをした事例がありました。中には年間で100万円を越える売り上げを挙げた例もあります。コンテンツにまで話を広げれば、家庭の主婦などが作ったアバター用の衣装にアメリカンアパレルなどのプロの仮想商品が太刀打ちできないと言った知る人ぞ知る有名なちょっと信じられない事態がセカンドライフでは本当に起きました。そのため企業シムに閑古鳥が鳴く大きな原因の一つになりました。
筆者は「軽いアップスはサラリーマンプログラマーの副業に良い」し、今後日本でもプログラマーのアップス副業が広がるだろうと見ています。
2020年代には欧州や米国の年金支給は67歳以上となります。そんな時代を考えれば日本でもサラリーマンプログラマーは副業で稼げる時代が来ないときっと困るでしょう。
またネット社会はニコニコ技術部のハードウエア技術者やマイスペース上での音楽家など大手企業から独立・起業したり、フリーランスになったり、副業をそっとやって稼いでいる例があると聞いています。日本のセカンドライフで国内のゲーム企業の社員がアルバイトして稼いでいる例が結構あるように、組織の壁が薄くなる時代がインターネットの第二の波と共にやってきました。上手く波に乗れれば本当に良い時代ですね。