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開発ツールビジネスの再生に格闘。マーケティングの視点で解説

技術情報執筆の難しさ、併せて新刊本の紹介

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技術情報をしっかりと読みやすい文章でまとめることは、なかなか難しい作業です。どんな文章でもそうですが、テーマを決めて、展開を考え、分かりやすくまとめあげる、そう簡単ではありません。技術情報の場合、技術的に正確でなければならないことと複雑なことを簡単に理解できるようにときほぐすことを両立するテクニックが求められます。

優秀なエンジニアに、同時に上に挙げたような文章力を備えてもらいたいというのは、贅沢なお願いなのかもしれません。たいていの場合、どこかひとつがニガテ分野になってしまって、ネタはあるけどまとまらない、手順はまとめてあるけど外に出せるほど推敲されてない、ちょっとしたTIPSはあるけどまとまった文章にするほど体系化していない、などなど、いろいろな理由で日の目を見ない企画の卵のままでいることが多いわけです。

我々もCDNという投稿自由の技術情報サイトを用意して、広く一般投稿を募っていますが、世界各国、投稿を集めるのに苦労しているようです。投稿いただいた方には原稿料を支払う仕組みにしていますが、これが米国の税務書類だなんだで面倒なのも、敷居を高くしている原因かと思います(日本では、この仕組みによらず、日本法人から原稿料をお支払いする仕組みも用意していますので、米国相手の手続きにかかわらずトライしてもらいたいと思っています)。

過去の海外の一般投稿記事を見ると、結構高度なテクニックを紹介しているものが多いので、こんなネタでいいのかなと臆することがあるのかもしれません。でも、きっとどんな情報でも、それを必要としている人がいるに違いありません。まずは発信してみること、が重要だと思っています。トライアル版試用体験記、ブログに掲載した技術情報へのリンク、コミュニティサイトの宣伝などなど、開発にかかわることなら幅広く利用いただければと思います。

さて、我々自身も、一般公募だけに期待するのではなく、そうした情報発信活動に積極的にかかわらなければなりません。自分たちによる記事執筆や、いろいろな執筆活動の支援などです。ひとつよいお知らせは、CDNの連載記事から発展して、Delphiの書籍が久しぶりに出版されることです。春先にムック本は出版されていましたが、通常の書籍としては久しぶりです。

佐竹那月・著
『ナッキーのDelphiはじめて奮戦記』
定価 [本体2,800円 + 税]
ISBN 978-4-87783-133-2 C3004
出版社:カットシステム

9月22日頃に発売開始するそうです。自分の描いたナッキーの似顔絵がやわらかいタッチに変わってるなぁ。

出版不況などと言われて久しいですが、実は技術系のライターは慢性的に不足しています。その理由は、最初に述べたことに関係しているのかもしれません。もし、記事執筆に興味のある方は、「どこかひとつがニガテ分野」でも大丈夫ですので、ぜひお声がけください。

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