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犯罪とソーシャルメディア

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ネットを介して不特定多数の人々が集まり、ごく短時間に何らかの行為を実施して立ち去るという「フラッシュモブ」。『災害とソーシャルメディア』では、ネットを通じた集団行動の実現という観点からソーシャルメディア活用の参考になると考え、伊藤昌亮先生の著作『フラッシュモブズ ―儀礼と運動の交わるところ』などをご紹介しながら解説しています。

多くの場合、フラッシュモブによって実施される行動はナンセンスなものです。しかしあらゆるツールの悪用が可能なように、フラッシュモブにおいても犯罪を目的としたものが登場しているとのこと:

'Flash robs': How Twitter is being twisted for criminal gain [VIDEO] (Christian Science Monitor)

フラッシュ「モブ(mobs、群衆)」の犯罪版ということで、その名もフラッシュ「ロブ(robs、強盗)」。ソーシャルメディアを通じて計画をアレンジし、決められた時間に集団で店舗等を襲撃、強盗や暴行などの犯罪行為を行ってあっという間に去って行くという事件の例が紹介されています。またアリゾナ州で行われた調査では、有罪判決を受けた犯罪者300名に対してインタビューを行ったところ、10名が麻薬売買やギャング行為にソーシャルメディアを活用していたと答えたそうです。

実は2年前の2009年11月にも、こんなケースが発生していることをご紹介していました:

Twitter 時代のストリート・ギャング

ニューヨークの非行少年グループが、仲間内のコミュニケーションにTwitterを利用していることについて。この中でも警察関係者がコメントしていますが、ソーシャルメディアはかつての電話のようなものであり、それが犯罪行為に用いられるのは何ら不思議なことではありません。むしろ数多くの事例が示しているように、集団行動を実現する際の強力なツールとなるポテンシャルを秘めており、犯罪者が目を付けない方がおかしいとも言えるでしょう。

そうは言っても、出来ることならせっかくのテクノロジーを犯罪には使って欲しくないというのが当然の感想でしょう。ソーシャルメディアで犯罪がアレンジされるのなら、それを食い止めることもできるはず――実際にニューヨークの例では、警察関係者などの大人達が、ソーシャルメディアを通じても非行少年達とコミュニケーションするという取り組みが行われていました。どうすればソーシャルメディアを通じた集団行動を食い止めることができるか。そんな検討も、これからの時代には求められるのかもしれません。

そうだ、昨日ご紹介したDARPAの研究を使って、機械的に「ソーシャルメディア集団犯罪」を潰してしまえば良いではないか――おっと、そう短絡的になってはジョージ・オーウェルの世界へまっしぐらですよ!

フラッシュモブズ フラッシュモブズ ―儀礼と運動の交わるところ
伊藤 昌亮

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【○年前の今日の記事】

【書評】"Twitter Power" (2009年8月4日)
ブログのシェルフスペース (2006年8月4日)

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