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Twitter に「Lists」機能が登場することで、新しい参加者が増えるかもしれないと予想してみる。

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今朝の Twitter 関連ニュースは何と言ってもこれでしょう。新機能「Lists」が間もなく登場することが公式ブログで発表されました:

Twitter、フォロー先をグループ別にまとめる「Lists」機能を発表 (ITmedia エンタープライズ)

米Twitterは9月30日、フォローしているアカウントをグループ別にまとめる機能「Lists」を準備中であることを公式ブログで明らかにした。

例えば同僚や友人、ニュースなどのグループ別にリストを作成できる。Twitterのホーム上方に表示されるListsのメニューから各リストを選ぶと、そのリストに含まれるアカウントのつぶやきだけが表示される。

要はフォロー先のグルーピング機能がつきますよ、という話。最近の大手SNSサービスでは軒並み導入されている機能ですし、一部の Twitter クライアントでは既に実現されています。なのでこれだけ見るとそれほど驚きではないのですが、ポイントはこのリストが「おすすめのユーザー(Suggested Users List, SUL)」の代わりになるかもしれないという点でしょう。

Listsはデフォルトではパブリックで、アカウントのプロフィールに表示される(非表示にすることも可能)。従ってユーザー同士で作成したListsを共有することができ、新たなフォロー先を見つける手段にもなるとしている。

ITmedia の記事ではこのように解説されていますが、公式ブログでも:

Other Twitter users can then subscribe to your lists.

他のユーザーは、あなたの作成したリストを購読することができます。

と書かれており、方法は不明なものの、何らかの形で他人のリストも(そのユーザーが非公開にしていなければ)確認することが可能になるようです。

最近、米国のアルファブロガーとして有名な Robert Scoble が、「公式のSULは使えない!」と主張して物議を醸しています(こちらの記事を参照のこと)。また彼ほど大っぴらでなくても、「SULはあくまでも著名人を並べているだけで、特定のユーザーの好みに合う人を選んでいるわけではない」という問題点が以前から指摘されていました。まぁそんなに高性能のレコメンデーション・エンジンを開発するわけにもいかないでしょうから("Twubble"など、サードパーティーのサービスでレコメンデーションを提供しているものはあります)、SULが現在のような形になっているのも致し方ないのですが、既存のユーザーが様々な目的に応じた「リスト」を作ってくれれば……それぞれの目的に応じた「質の高い」ユーザーが簡単に見つけられるようになる可能性があるわけですね。

この可能性に関して、TechCrunch でも以下のような指摘がなされています:

Twitter’s New ‘Lists’ Feature Finally Introduces Grouping, Offers An Alternative To The SUL (TechCrunch)

This is a big deal — until now the only convenient way to start mass following people on Twitter has been to use its own curated SUL. I won’t be surprised if we see some users vying to become the best ‘list makers’, offering comprehensive lists of celebrities, news portals, bloggers, and more. It will also be interesting to see if Twitter aggregates the most comprehensive Lists and includes them as part of the signup process (which would effectively just be the SUL in a different form).

これは素晴らしい話だ。いまのところ、Twitter で大勢のユーザーを一度にフォローする簡単な方法は、Twitter 自身が作成したSULしかなかった。リスト機能が提供されることで、一部のユーザーが優秀な「リストメーカー」になろうと競い合い、セレブ・ニュースサイト・ブロガーなど様々なカテゴリーのリストが作成されるようになっても驚きではない。さらに人気のリストを Twitter 自身が取り入れて、ユーザー登録プロセスの一部に組み込むようになったら面白いだろう(現在のSULがより効果的な形に生まれ変わるわけだ)。

確かに「リスト職人」的な人々が現れるかもしれませんね。そして何らかの形で支持率まで把握できるようになれば、確実に現在のSULよりも役に立つ存在になるでしょう。それによって、Twitter に新しく登録した人々が「何が面白いのか分からない」と感じる可能性が少しでも減り、結果として新しい参加者が増える・新しく参加したユーザーの継続率が高まるという可能性もあるのでは、と予想してみたいと思います。

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