普通の会社が Twitter を始めたら……
今日は祝日ですし、軽いネタで。Tom Fishburne (@tomfishburne)という漫画家の方が開設している"The Management Cartoonist"というサイトをご存じでしょうか。タイトルの通り、会社で起きる出来事をネタした漫画です。と言うとディルバートが連想されますが、より経営層に近い視点の漫画といったところでしょうか。その7月19日分の更新で、「企業ツイッター」と題された作品が掲載されています:
■ corporate twitter (The Management Cartoonist)
企業が Twitter を使うというのはごく普通の話になりつつあります。しかし「普通の」企業が Twitter で情報発信しようとしたら、きっとこんな会話が繰り広げられるはず:
スクリーンには「明日のコンサートで試食会をやります!」というメッセージが書かれていますが、これが最初の案だったのでしょう。そこに赤字で訂正が入れられていて、最終的には「(ブランド名)はスナック・チップスの試食会を、明日のコンサートで開催するかも、しないかもしれません。先着順。チップスにはナッツが含まれています。コンサートの趣旨は、(ブランド名)の立場を表すものではありません」と、免責事項がばっちり入れられた文章になる様子。スクリーンの周囲では関係者が議論を繰り広げていて、「法律上の立場から、あなたの"Tweet"にいくつか訂正を行いました」「これじゃ140字に収まらないし、このイベントが行われたのは1週間前ですよ」「企業の安全性という立場からも訂正を行った方がいいな」「後悔するより安全性を追求した方がマシです」などという発言が出ています。笑うに笑えないよ、と感じる方も多いかも(笑)
スピード感と個性が命のソーシャルメディアで、発言の事前確認をどこまで行うべきか。ブログでも問題になったテーマですが、比べものにならないほどリアルタイム性の増した Twitter では、はるかに難しい話になっているでしょう。というより、従来のようなプロセスで「審査」をしていたら、Twitter らしく Twitter を使うなんてことは不可能になってしまいます(だから多くの企業 Twitter は「単なるRSSフィードの代わり」という使い方を超えられないのでしょう)。本当の意味で Twitter を活用するためには、従来とは異なる組織やアプローチを生み出す必要があるのではないでしょうか。
もちろん全ての企業が Twitter を使わなければならないなんてことはありません。Tom Fishburne さんが描かれたような光景が繰り広げられる可能性があるのなら、いっそのこと Twitter はあきらめてしまうというのも手でしょう。組織やプロセス、ポリシーをどう設計するかは、流すコンテンツの企画と同等かそれ以上に重要な話だと思います。
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