スタンフォード大学の iPhone 講座、7週間で100万ダウンロード達成
青山学院大学が、社会情報学部の学生と教員550名に iPhone を支給することが話題になっています。その狙いや使い道などに関する詳しい話が、ITmedia さんの記事で掲載されています:
■ 学部内一括導入は“モバイルインターネット教育革命”――iPhone 550台を導入する青学の狙い (ITmedia プロフェッショナル モバイル)
iPhone 3Gの活用環境について大学側が用意するのは、大学標準のメールシステムやグループウェアとの連携による授業の資料・教材の配布、iPhoneアプリを利用した出席管理、ミニテスト、授業の動画配信など。6月から試験運用を始め、後期が始まる9月からの正式運用を目指すという。
とのこと。なかなか野心的なプログラムだと思うのですが、ただ1つ残念なのは、授業コンテンツの外部配信が含まれていなかった点。ご存知の方も多いと思いますが、いま米国の大学を中心に、授業で使われたマテリアルや実際の授業の様子(音声/動画コンテンツ)を外部に無料で公開しようという動きが盛んになっています。「オープンコースウェア(Open Courseware, OCW)」と呼ばれているもので、日本国内でも東京大学や早稲田大学などといった大学で始まっていますね。また Apple の iTunes 内には、こういった授業コンテンツを扱うコーナー「iTunes U」が設置されていることもご存知の通りです。
しかし大学の授業なんて(単位にもならないのに)誰が取るの?と思いきや。スタンフォード大学が iTunes に提供している講座の中には、およそ1ヶ月半で100万ダウンロードを達成するものが登場しているそうです:
■ Stanford's free iPhone course hits 1 million downloads (CNET)
"iPhone Application Programming"という講座がそれで、Apple の技術者自らが iPhone アプリのプログラミングについて教えるという羨ましい内容(ちなみに10週間。公開後7週間で100万ダウンロードを達成したのですが、Apple で"director of iTunes U and Mobile Learning"という役職を務める Jason Ediger 氏によれば、これは iTunes U 内で最速の記録になるとのこと。内容が内容だけに(それに英語だから全世界を相手にできるし)、と言ってしまえばそれまでですが、いかに大学コンテンツが大きな魅力を持ち得るかの表れではないでしょうか。
実際、オープンコースウェアの中には魅力的な講座がいくつも公開されています。残念ながら量では米国の大学に劣っていますが、日本の大学の授業もなかなかのもの。青山学院大学もせっかく授業の様子を録画/配信しているなら、オープンコースウェアとして学外に提供しても良いのではないかと感じた次第です。内容によっては、今回のスタンフォード大学のように大学をPRする(しかも僅かな追加経費で!)よい機会になるはずですよね。
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