「App Store に続け!」ブーム、本格化の兆し
ご存知 iPhone と App Store が火を付けた、携帯端末用アプリ販売というビジネスモデル。他の大手企業も「Apple に続け!」とばかり対応を始めていますが、この動きが本格化することは間違いなさそうです:
■ Nokia, others target mobile software sales (Reuters)
App Store の成功を受けて、競合がどう動きつつあるかのまとめ。この記事を元に、簡単に内容をまとめておくと
- Google: Android ケータイ版 App Store とでも呼ぶべき"Android Market"をオープン(ITmedia での参考記事)
これまで無料アプリのみだったが、Google Checkout を通じた有料アプリの提供もスタート(ITmedia での参考記事) - Microsoft: Windows Mobile 用の携帯アプリストアを計画中(ITmedia での参考記事)
- Nokia: 昨年12月に自社のアプリストアを計画中であることを認めている。今年2月16日からの Mobile World Congress でお披露目の予定
- Research In Motion: 同じく昨年、ブラックベリー用のアプリストアを立ち上げる計画であることを発表、今年の早い時期に立ち上げの予定
- Palm: 昨年12月にアプリストア"Software Store"を開設(参考記事)
- Amdocs: 通信キャリアが自社ブランドで携帯アプリストアを立ち上げられるシステムの提供を開始予定(同じく Mobile World Congress で発表とのこと)
とまぁ、要は各社が各社版 App Store を立ち上げようとしていると。Apple が掘り当てた金鉱に、各社が群がってゴールドラッシュを期待している、といったところでしょうか。これを受けて調査会社の Strategy Analytics は、本年度の携帯端末用コンテンツ市場(ゲームや着メロ、壁紙やウェブブラウズを含む)が670億ドル(約6兆円)にまで成長すると予測しているそうです。
この中で最後の Amdocs 社の動きについてだけ捕捉しておきたいと思います。通信業界にお詳しい方はご存知だと思いますが、Amdocs は通信キャリア向けに基幹システムの提供を行っている会社。パッケージからサービスまで幅広いメニューを取り揃えているので、今回の計画がどのような姿になるかは続報を待たなければなりませんが、App Store 的ビジネスを始めたいキャリアにとっては魅力的な選択肢になることでしょう。Amdocs 関係者は自信を持っているのか、こんな発言をしています:
"This year, app stores will be the main topic of the show," Gil Rosen, a senior official at Amdocs, told Reuters.
Amdocs 社員の Gil Rosen は、ロイターに対し「今年はアプリストアがトレードショーのメイントピックになるだろう」と語った。
ちょっと話は離れてしまいますが、最近バージョン2が発表になった Amazon の電子ブックリーダー・Kindle も、通信機能を備えていてコンテンツが購入できるわけですから「携帯端末向けコンテンツストア」を有していると言えるでしょう。またコンテンツの有料ダウンロードが可能になった YouTube も、同機能を携帯端末に対応させれば(そしてキャリアから利用料金を回収させるようにできれば)同じく「携帯端末向けコンテンツストア」的な位置付けになっていくかもしれません。日本ではずっと前から存在していた携帯端末向けコンテンツ販売という分野ですが、世界的な金鉱山となって、PC上のインターネットに深く根づいた「コンテンツは無料」という文化に対抗するものとなっていけるのでしょうか。